光岡自動車は2008年12月、オープン2シータースポーツカー「ヒミコ(卑弥呼)」を発売しました。3代目「マツダ・ロードスターRHT」(NC型)をベースに開発され、プラットフォームやパワートレイン、ボディシェルの後半部分を流用しながら、イギリスのスポーツカー「モーガン」を彷彿とさせるクラシカルな雰囲気に仕立てられたことが特徴でした。
全長とホイールベースを大幅に延長
トップの仕様は当初は全車電動リトラクタブル式ハードトップで、エクステリア・デザインは丸型ヘッドランプや縦型のグリル、張り出した前後フェンダーおよびランニングボードなど、戦前のスポーツカーのようなディテールを備えていました。ボディサイズは全長4,575mm×全幅1,725mm×全高1,255mmで、ロードスターから全長500mm以上延長されていました。
同時に、ホイールベースも700mm長い3,030mmに設定されました。このディメンション変更により、ロングノーズ・ショートデッキの古典的なプロポーションが実現しました。駆動方式はロードスター同様FRで、エンジンはこれもロードスター譲りの2L直4DOHC16バルブ仕様(最高出力162ps/6,700rpm・最大トルク19.3kgm/5,000rpm)が搭載されました。
また、トランスミッションも同様に6速MTと6速トルコン式ATを選ぶことができました。サスペンション形式は、ロードスター同様のフロント:ダブルウィッシュボーン式/リア:マルチリンク式が踏襲され、ブレーキも同じくフロントがベンチテーテッド型、リアがソリッド型の4輪ディスク式が採用されました。
タイヤサイズも共通で、前後とも205/50R16が装着されました。また、安全装備面においてもロードスターから変更はなく、SRSデュアルエアバッグシステムやEBD&ブレーキアシスト付きABSなどが標準装備されました。グレード体系は、当初下から「スタンダード」(AT仕様)、「プレミアム」(MT仕様)、「ハイプレミアム」(AT仕様)の3タイプがラインナップされました。
ソフトトップ仕様を追加
その後2009年9月に、手動ソフトトップを採用した廉価グレードとして、5速MT仕様の「Sスタンダード」と6速MT仕様の「Sプレミアム」が追加されました。追って同年12月、アメリカの楽器メーカーであるリッケンバッカー社とコラボレーションした特別仕様車「リッケンバッカー」(AT仕様)が設定されました。
さらに翌2010年7月には、2トーンカラーを採用した特別仕様車「クラシックST」(ソフトトップ+5速MT仕様)と「クラシックHT」(ハードトップ+AT仕様)が設定されました。次いで2011年10月にグレード体系が見直され、ソフトトップ+5速MT仕様の「ギルティ」、ハードトップ+AT仕様の「アイドール」および「アイドール本革パッケージ」の3タイプとなりました。
続いて2012年12月、アイドールをベースとした特別仕様車「ヒミコ モノクローム」が設定されました。次いで2013年11月にギルティが廃止されたのち、翌2014年9月に伊勢丹とコラボレーションした特別仕様車「クレイジータイマー」が設定されました。