光岡自動車は2004年4月、新型ミディアムサルーン「ヌエラ」を発売しました。ホンダ技研工業と業務提携により誕生したモデルで、プラットフォームや基本コンポーネンツ、ボディシェルの一部を7代目「ホンダ・アコード」と共有しながらも、往年のジャガー車を彷彿とさせるクラシカルな雰囲気に仕立てられたことが特徴でした。
アコードから全長を延長
ボディタイプは5人乗りの4ドアセダンのみの設定で、エクステリア・デザインはグリーンハウスやドアパネルなどはアコードと共通であったものの、ノーズが延長されるとともに、丸型4灯式ヘッドランプや縦長のグリルなどフロントまわりにオリジナルの造形が採用されました。また、リアコンビネーションランプも左右がつながった専用の意匠となっていました。
ボディサイズは全長4,680mm×全幅1,760mm×全高1,450mmで、アコードから全長が195mm延長されていました。一方、ホイールベースは同一の2,670mmであったため、フロントオーバーハングの長いプロポーションとなりました。サスペンション形式は、アコード同様のフロント:ダブルウィッシュボーン式/リア:5リンク・ダブルウィッシュボーン式が踏襲されました。
エンジンは2種類
駆動方式はアコード同様FFとフルタイム4WDが設定され、エンジンはホンダ製2L直4DOHCのK20A型(最高出力155ps/最大トルク19.2kgm)および2.4L直4DOHCのK24A型(最高出力200ps/最大トルク23.7kgm)が用意されました。トランスミッションは、全車5速トルコン式ATとの組み合わせでした。また、ブレーキはフロントがベンチレーテッド型の4輪ディスク式が装備されました。
当初のグレード体系は、下から2Lエンジン搭載の「20ST」「20LX」、2.4Lエンジン搭載の「24ST」「24LX」の4タイプがラインナップされました。安全装備面では、全車にSRSデュアルエアバッグシステムやEBD&ブレーキアシスト付きABSなどが標準装備されたほか、さらに最上級の24LXには車両安定化制御システム「VSA」が採用されました。
その後2005年2月に、アコードの仕様変更にともないヌエラにも仕様の変更が行われると同時に、24STが廃止されました。次いで2006年2月、再びアコードに仕様変更が実施されたことにともないマイナーチェンジが実施され、大径自発光メーターの採用、ステアリングホイール&シフトレバーやホイールのデザイン変更といったリファインが施されました。
同時に、オプションのカーナビがDVD方式からHDD方式に変更されました。そして2008年3月を持って生産を終了、それから4か月後の7月に2代目モデルがリリースされました。