プジョーのDセグメント・セダン/ステーションワゴン「508」は、「407」の後継モデルとして2010年9月にパリモーターショーに初出展されました。従来の最上級モデル「607」に取って代わるフラッグシップとしての役割も任され、特に室内スペースの拡大や装備の充実に力が注がれました。日本市場には2011年7月から導入が開始されました。
空力特性の優れたボディ
ボディタイプは4ドアセダンと5ドアステーションワゴンの「SW」の2種類で、407にラインナップされていた2ドアクーペは廃止されました。スタイリングは、同社最新のアイデンティティーとなる「フローティンググリル」を採用するなど、407/607からイメージが一新されました。同時にセダンで0.26、SWで0.27の優れた空力特性を実現し、燃費・環境性能の改善を果たしました。
ボディサイズは、セダンが全長4,795~4,830mm×全幅1,855mm×全高1,455mm、SWがそれぞれ4,815~4,830mm×1,855mm×1,505mmで、407より一回り拡大され、全長は607に迫る大きさとなりました。ホイールベースはセダン/SW共に2,815mmで、407/607よりも長くなった一方、車両重量はそれらよりも大幅に軽い1,510~1,560kgとなっています。
日本にはガソリンターボ+FF仕様を導入
サスペンション形式は、フロントが407のダブルウィシュボーン式からマクファーソンストラット式に変更され、リアは407と同様のマルチリンク式を踏襲します。駆動方式はFFが基本で、欧州仕様には後輪をモーターで駆動する電気式4WDも用意されるものの、日本にはFFモデルのみが導入されます。日本仕様のエンジンは、1.6L直4ガソリンターボのみとなります。
発売当初におけるスペックは最高出力156ps/最大トルク24.5kgmで、トランスミッションは6速トルコン式ATが組み合わせられました。室内面ではインパネのデザインが一新されると共に、後席の居住性が407から改善された他、SWは荷室スペースの拡大も図られました。グレード体系は、セダン/SW共に標準グレード「アリュール」と上級グレード「グリフ」の2グレードがラインナップされます。
装備面では、両グレードにステアリング操作連動式のディレクショナル・キセノンヘッドランプやハイビーム/ロービームを自動で切り替えるインテリジェントハイビーム、4ゾーン独立調整式フルオートエアコン、HDDナビゲーションシステムなどが標準装備されます。更に「グリフ」には、カラーヘッドアップディスプレイや駐車が可能か否かを表示するパーキングスペースセンサーが備わります。
M/Cで燃費を改善
そして2014年2月にマイナーチェンジを実施し、フロント廻りとセダンのリア廻りのデザインが一新されました。同時に、エンジンに改良が加えられ最高出力が9psアップの165psになった他、6速ATのリニューアルやアイドリングストップ機構の採用と相まって、JC08モード燃費が2.6~3km/Lアップの13.6km/Lに向上しました。
又、装備の充実も図られ、7インチタッチスクリーン採用のインフォテインメントシステムやバックアイカメラ、運転席アクティブランバーサポートなどが全車に採用されました。更に「グリフ」には、ブラインドスポットモニターシステムやツートン・ナッパレザーシートが装備されました。