ゼネラルモーターズ(GM)のポンティアック・ブランドから1967年にリリースされた2+2仕様のスポーティカー「ファイヤーバード」は、1993年に11年ぶり3度目のフルモデルチェンジを受け、4代目モデルに移行しました。プラットフォームは従来同様の「Fボディ」が踏襲された一方で、ボディは空力特性のさらなる向上が図られました。
ボディサイズを拡大
ボディタイプは先代同様、2ドアクーペと2ドアコンバーチブルがラインナップされました。エクステリア・デザインは、リトラクタブルヘッドランプ採用による低いノーズや従来よりも曲線的になったフォルム、スポイラー一体型のテールエンドなどが特徴でした。ボディサイズは全長4,968mm×全幅1,892mm×全高1,321mmで、先代から一回り拡大されました。
一方、ホイールベースは先代と同等の2,568mmでした。駆動方式はコンベンショナルなFRを踏襲、エンジンはベースグレードには3.4L V6OHVのL32型(最高出力162ps)が、「フォーミュラ」「トランザム」およびオプションの「トランザムGT」には、「シボレー・コルベット」にも搭載される5.7L V8OHVのLT1型(最高出力279ps)が搭載されました。
トランスミッションは、V6エンジン搭載車には5速MTまたは4速トルコン式ATが、V8エンジン搭載車には6速MTまたは4速トルコン式ATが組み合わせられました。ステアリング形式はラック&ピニオン式で、V8エンジン搭載車はよりクイックなギアレシオを与えられました。ブレーキは、フロントは全車にベンチレーテッド・ディスク式が採用されました。
一方リアは、V6エンジン搭載車にはドラム式が、V8エンジン搭載車にはベンチレーテッド・ディスク式が採用されました。また、後者にはリミテッドスリップデフが標準装備されました。その後、1995年モデルでステアリングホイールが変更されるとともに、トラクションコントロールが設定されました。
エンジンの性能が向上
続く1996年モデルでは、ベースグレードのエンジンがより強力な3.8L V6OHV(最高出力203ps)に置換されました。同時に、5.7L V8エンジンの最高出力が289psに向上するとともに、最高出力が309psまで高められるラムエアー・パッケージが設定されました。次いで1998年モデルでマイナーチェンジが実施され、フロントまわりやテールランプの意匠が一新されました。
同時に、SRSデュアルエアバッグシステムやABSが標準化されたほか、5.7L V8エンジンがLS1型に刷新されました。次いで1999年モデルで、専用ストライプやアルミホイール、レザーシートなどが備わるトランザム誕生30周年モデルが設定されました。そして2001年後半にリリースされた2002年モデルでコレクターズ・エディションが設定されたのち、翌2002年をもって生産を終了、ファイヤーバードは35年の歴史に幕を下ろしました。