ヨーロッパでは10年くらい前からかなり浸透していましたが、最近ようやく日本でもその良さが認知され始めたエンジン、それがディーゼルエンジンです。何故、最近になって日本でも注目されるようになったのでしょうか。
大きく進化しているディーゼルエンジン
その理由は、これまでディーゼルエンジンで問題とされていた音や振動などのフィーリング面での問題と、排気ガスの問題について大きな改善があることが日本のユーザーの間でも浸透してきたためです。
そういった欠点が改善され、なおかつ元々ディーゼルエンジンが持っていた燃費性能の良さと、軽油を使用することで得られるランニングコストの安さがピックアップされたことで、多くの人が興味を持つきっかけとなりました。
そもそもディーゼルエンジンは自己着火機関であり、混合気を気筒内で自己着火させることで燃焼を開始させる機関です。通常のガソリンエンジンにあるスパークプラグが装備されていません。そういった特性をもつので、圧縮比を高めて熱効率が良くすることができ、同じ排気量のガソリンエンジンに比べると相対的に燃費性能が良いのが特徴でした。
しかし、それと同時にディーゼルパーティクルと呼ばれる微粒子や窒素酸化物などの排気ガスの問題や、走行時の音や振動の問題がありました。また、圧縮比を高めるためにはどうしてもエンジン自体が大きく重くなってしまうので、通常のユーザーが使う車種への搭載がコストとレイアウトの都合上難しく、トラックやバスと言った大型の車への搭載が主流でした。
一部の車種ではクリーンディーゼルと呼ばれる、次世代型のディーゼルエンジンを搭載した車種を日本でも販売していたメーカーもありましたが、悪いイメージを払しょくするには至っていませんでした。
マツダのスカイアクティブD
ところが、最近になってマツダが圧縮比を低くすることで、エンジン自体の軽量化を行い、またHCや窒素酸化物の発生を、高価な触媒を使わずに抑制することで、これまでのディーゼルエンジンのイメージを大きく替えた製品を市場に投入しました。
これらは、スカイアクティブDとよばれ、現在ではマツダの主力車種であるアクセラやアテンザ、CX-5などのほか、これまでは日本車ではほとんど見られなかったコンパクトカーであるデミオにも採用されています。スカイアクティブDの特徴は、ディーゼルエンジンにも関わらず、高回転まで良く回ることです。多くの評論家がガソリンエンジンのように回ると評しています。
マツダはこれまでのディーゼルエンジンの弱点や悪いイメージをうまく攻略して、小型化と低コスト化に成功したことで多くの車種に展開できました。それと同時にこれまでには無かった走りの良いディーゼルというコンセプトを市場に広め、ユーザーがそれを認知したことで、注目を集めているのです。