ルノーは1988年6月、1981年デビューの4ドアセダン「9」及び1983年デビューの5ドアハッチバック「11」に代わる新型小型乗用車「19(ディズヌフ)」を発表しました。基本メカニズムは9/11譲りで、冒険を避けた手堅い設計が行われた一方、イタルデザインに委託されたエクステリア・デザインは、より洒脱な雰囲気に変貌していました。
まずはハッチバックが登場
ボディタイプは、まず2ボックス型の3ドア/5ドアハッチバックが用意されました。スタイリングは直線基調のシャープなボディラインが特徴で、Cピラーまで廻り込んだリアウィンドウなど11譲りのディテールも取り入れられていました。ボディサイズは全長4,156mm×全幅1,694mm×全高1,412mmで、9/11から若干拡大され、2,540mmのホイールベースも60mm延長されていました。
駆動方式は横置きFFを踏襲し、エンジンは当初9/11からキャリオーバーされた1.4L直4OHV(最高出力60hp/最大トルク10.2kgm)及び1.7L直4SOHC(最高出力92hp/最大トルク13.7kgm)に、新開発の1.4L直4SOHC(最高出力80hp/最大トルク10.8kgm)を加えたガソリン3種類と、これも新開発の1.9L直4SOHCディーゼル(最高出力63hp/最大トルク12kgm)が用意されました。
トランスミッションは、5速MTと4速トルコン式ATが設定されました。又、サスペンション形式は、9/11同様のフロント:マクファーソンストラット式・リア:トレーリングアーム/トーションバー式が踏襲されました。そして同年秋、リアスポイラーなどが備わる3ドアボディに、1.8L直4DOHC16Vエンジン(最高出力140hp/最大トルク16.4kgm)を搭載するホットハッチ「16S」が追加されました。
1992年にフェイスリフトを実施
Cd値0.3の優れた空力特性と相まって、5速MTを介しての最高速度は214km/hに達しました。次いで翌1989年、全長を4,248mmに延長した4ドアセダン「19シャマード」がラインナップに加えられました。続いて1992年にフェイスリフトが実施され、フロント廻りとリア廻りの意匠が変更されました。同時に、3ドアハッチバックをベースとした「カブリオレ」が追加されました。
そして1995年、後継モデル「メガーヌ」にバトンタッチして生産終了となりました。日本市場においては、1991年1月にガソリン1.7Lエンジン+4速AT搭載の「TXE4ドア」及び「TXE5ドア」が上陸しました。エンジンは、最高出力90ps/最大トルク14.1kgmのスペックを持つ電子燃料噴射仕様が採用されました。
装備としては、エクステリア面では13インチアルミホイールやリモコンドアミラーが、インテリア面ではマニュアルエアコンやカセット付きFM/AMステレオ、ワイヤレスセンターロックなどが標準装備されました。