1970年に初代モデルがデビューしたスズキの軽クロスカントリー車「ジムニー」は、3代目が1998年10月に発売され、以後20年間に渡り基本設計に変更がないまま生産が続けられるロングセラーモデルとなりました。初代モデルからの伝統であるラダーフレームシャシーと4輪リジッドサスペンションを踏襲し、軽自動車随一の悪路・雪路走破性を持つ車種となりました。
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ボディとパワートレインは登場以来大きな変更はなし
スタイリングは、初代以来の3ドアボディを踏襲しつつ、角張った形状だった初代や2代目モデルと異なりやや丸みを帯びたボディラインとなっている他、幌仕様や商用バン仕様が廃止され乗用車規格のメタルトップボディのみとなっています。ボディサイズは全長3,395mm×全幅1,475mm×全高1,680mm~1,715mm、ホイールベースは2,250mmで、軽自動車規格変更に伴い2代目から一回り拡大され、そのまま現在に至っています。
車両重量は初期型が950kg~970kg、現行型が980kg~1,000kgとなっています。サスペンション形式は4輪3リンク・リジッド/コイル式、駆動方式は副変速機付きパートタイム4WDが採用され、現在も変更がないまま踏襲されています。パワートレインは、2代目モデルから踏襲した660cc直3DOHCターボのK6A型エンジン(最高出力64ps/6,500rpm、最大トルク10.8kgm/3,500rpm)と5速MT又は4速トルコン式ATの組み合わせで、現在も基本的に変更はありません。
仕様変更により地道に改良
装備面では、発売当初から全車にエアコンとパワーステアリングが、最廉価グレード以外にパワーウィンドウが装備されました。そして1999年10月の一部改良により、全車にABSとSRSデュアルエアバッグシステムが標準装備されました。次いで2000年9月に2WDモデルの「L」が追加され、翌2001年2月には「L」に替わり、タイヤを1インチ小径化し車高を下げると共に専用フロントマスクを備える「J2」に置き換えられました。
そして2002年1月に「J2」が廃止され、そのフロントマスクが4WDモデルに受け継がれました。続いて2004年10月にマイナーチェンジを実施し、内外装の変更が行われると同時に、トランスファー切替がレバー式からインパネ上のスイッチ式に変更され、AT車のシフトレバーがゲート式になりました。次いで2008年6月にエンジンの改良を行い、中低速トルクの改善が図られた一方、最大トルクは10.5kgm/3,500rpmに低下しました。
続いて2012年8月、衝突時の歩行者頭部へのダメージ軽減対策として、ボンネットフードの高さと構造が変更されるなどの一部改良が行われました。現行型ジムニーは、基本設計の古さや設計思想の相違により、乗り心地や乾燥路での操縦安定性は近年の軽乗用車の水準に及ばない他、燃費性能も劣っています。しかしながら、不整路や雪道での走行性能の高さから、現在でも農林業用途や雪国での日常用途を中心に根強い人気を保ちました。