日産のコンパクト・トールワゴン「キューブ」の初代モデルは、1998年2月に発売されました。2代目「マーチ」のプラットフォームやパワートレインを流用し、ハイトのある2ボックス5ドアのハッチバックボディを架装したモデルで、走行性能に際立った特徴はなかったものの、当時としては斬新なコンセプトを持つ車種でした。
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角張ったボディと1.3Lエンジンの組み合わせ
スタイリングは、車名の通り角張ったボクシーなデザインが特徴で、ベースモデルのマーチが曲線的なボディを持っていたのとは対照的でした。ボディサイズは全長3,750mm×全幅1,610mm×全高1,625mmで、マーチよりも一回り大きく、特に全高は200mm高く設定されていました。ホイールベースはマーチと同一の2,360mmで、車両重量はそれより100kg以上重い960kg~970kgでした。
サスペンションもマーチと共通の、前:ストラット式/後:5リンク式が採用されました。エンジンは、マーチと異なり1Lの設定がなく1.3L直4DOHCのCG13DE型のみの設定で、最高出力は3ps大きい82ps/6,000rpm、最大トルクは同一の10.8kgm/4,000rpmのスペックでした。トランスミッションは4速トルコン式ATとCVTの2種類でMTの設定はなく、駆動方式は発売当初はFFのみの設定でした。
インテリア面では、インパネはマーチと異なる専用デザインのものが採用されました。乗車定員は4人で、リアシートは5:5のシングルフォールディング分割可倒式が採用され、前後のシートを倒す事により広大な荷室が出現しました。グレード体系は3種類が基本で、他に専用エクステリアを備えるオーテックジャパン扱いの特別仕様車「ライダー」が設定されました。
M/Cでパワートレインを刷新し4WD車を追加
翌1999年11月にマーチと共にマイナーチェンジを実施し、エンジンが排気量の74cc大きいCGA3DE型に置換され、スペックが最高出力85ps/6,000rpm、最大トルク12.2kgm/4,000rpmに向上しました。トランスミッションもCVTが刷新され、従来の「N・CVT」から「ハイパーCVT」及び6速マニュアルモード付の「ハイパーCVT-M6」に変更になり、燃費が約10%改善されました。
同時に、オートトルクコントロールカップリングを採用したフルタイム4WD車が新たに設定されました。リアサスペンションの形式がFF車から変更され、パラレルリンクストラット式による独立懸架式が採用されました。車両重量はFF車よりも100kg以上重くなり、1,090kg~1,110kgとなりました。
次いで2000年9月に2度目のマイナーチェンジを実施し、内外装の一部変更が行われた他、乗車定員が5人に変更されました。翌2001年5月に、圧縮比アップやプレミアムガソリン仕様に変更するなどにより、最高出力101ps/6,400rpm、最大トルク12.5kgm/4,400rpmまでパワーアップを図ったCGA3DE型エンジンを搭載するスポーティグレード「α」が、FF車に追加されました。
初代キューブは、フロアがマーチと共通であった為頭上に無駄な空間が生じるなど、パッケージングの点では合理的とは言えない面がありました。しかし、居住性や積載性自体に問題はなくレジャー用途に適していた事や、発売当時はこのクラスにライバルとなる車種が存在しなかった事などにより、ベストセラーであったマーチを凌ぐ販売台数を記録する程の大ヒットとなりました。
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