1999年に創業したドイツの新興自動車メーカー「YES!(イエス!)」は、2001年に2シーター・オープンボディを持つライトウエイトスポーツカー「ロードスター」を発売しました。アルミスペースフレーム+FRPボディによる軽量設計が特徴で、優れたハンドリングや高い動力性能が備わっていました。
ショート&ワイドなボディ
スタイリングは奇抜なものではなく、盛り上がったフロントフェンダーの峰や張り出したリアホイールフレアなど、スポーツカーの定石に則ったデザインが備わっていました。一方、ドアは斜め上に跳ね上がるガルウイング式が採用され、このモデルならではの個性となっていました。ボディ・ディメンションは全長3,620mm×全幅1,855mm×全高1,155mm、ホイールベース2,250mmでした。
ライトウエイトスポーツカーの代表格である「ロータス・エリーゼ」と比較すると、全長が約100mm、ホイールベースが50mm短く、全幅は150mmほども広いショート&ワイドなディメンションが特徴でした。車両重量は、軽量化を図った「クラブスポーツ」では585kgに抑えられていました。サスペンション形式は4輪ダブルウィッシュボーン式で、駆動方式はMRが採用されました。
エンジンはアウディ製がベースの1.8L直4DOHCターボ(最高出力286ps/最大トルク35.7kgm)で、トランスミッションは5速MTが組み合わせられました。そのパフォーマンスは、最高速度264km/h・0-100km/h加速4.1sという第一級のものでした。また、ステアリング形式はパワーシストなしのラック&ピニオン式で、ブレーキは4輪ベンチレーテッド・ディスク式が採用されました。
日本には2005年に上陸
日本市場への初上陸は2005年1月で、ラインナップは前述の1.8Lエンジン搭載の「ロードスター」と「クラブスポーツ」、および2L直4DOHCターボエンジン(最高出力340ps/最大トルク41.3kgm)搭載の「カップR」の3タイプが用意されました(※いずれも左ハンドル仕様のみ)。車両重量は、それぞれ830kg、790kg、585kgとなっていました。
その後2007年5月に、マイナーチェンジ版の導入が開始されました。エクステリアの一部変更とともにラインナップが変更され、従来同様の1.8Lエンジン+5速MTを搭載する「ロードスター1.8ターボ」、アウディ製3.2L V6DOHC NAエンジン(最高出力255ps/最大トルク33.7kgm)+6速MTを搭載する「ロードスター3.2」、同ターボエンジン(最高出力355ps/最大トルク49.5kgm)+6速MTを搭載する「ロードスター3.2ターボ」の3タイプとなりました。
パフォーマンスは、ロードスター3.2が最高速度255km/h・0-100km/h加速4.9s、ロードスター3.2ターボが最高速度281km/h・0-100km/h加速3.9sでした。そして2009年12月をもって販売終了となりました。