ホンダは1999年9月に、同社のハイブリッド車第一弾となる「インサイト」を発売しました。アルミニウム製の軽量ボディに「ホンダIMAシステム」と呼ばれるハイブリッドユニットを搭載し、世界最高水準の燃費・環境性能を実現した事が特徴でした。しかし、ライバルの「トヨタ・プリウス」と比較すると実用性で劣っていた為、販売台数は限られました。
世界最高水準の空力特性を実現
ボディタイプはガラスハッチを持つ3ドアクーペで、乗車定員は2名でした。スタイリングは、ボディ後部を絞ると共に後輪をボディパネルで覆うなど、徹底的に空力特性を追求した流麗なフォルムを備えていました。その結果、Cd値は世界最高水準の0.25を実現しました。ボディサイズは全長3,940mm×全幅1,695mm×全高1,355mmの5ナンバーサイズで、ホイールベースは2,400mmでした。
トレッドはフロントが1,335mm、リアが1,235mmと前後で大きく異なる点が特徴でした。又、車両重量は820~850kgと軽量に抑えられていました。サスペンション形式はフロントがマクファーソンストラット式、リアがトーションビーム式で、駆動方式はFFが採用されました。ハイブリッドユニットはガソリンエンジンとモーター、そして5速MT又はCVTにより構成されるパラレル式でした。
エンジンが主、モーターが従のパワートレイン
エンジンは新開発された1L直4SOHC12バルブ・リーンバーンVTEC仕様(最高出力70ps/最大トルク9.4kgm)、モーターはDCブラシレス仕様[最高出力13ps(MT)・12ps(CVT)/最大トルク5kgm]で、アイドリングストップ機構の採用と相まって、10.15モード燃費35km/L(MT車)/32km/L(CVT車)という市販車トップの燃費性能を誇りました。
同時に、CO2排出量も80g/kmという世界で最も少ない排出レベルを実現していました。パワートレインのキャラクターは、より高度な制御を行うスプリット式ハイブリッドユニットを採用するプリウスがエンジンとモーターが対等な関係を持つのに対し、インサイトではエンジンが主・モーターが従の関係にあり、ドライバビリティーもプリウスとは異なっていました。
一方インテリア面では、燃費表示機能を搭載するデジタルマルチメーターが採用された事が特徴でした。又、安全装備としてABS+ブレーキアシストやSRSデュアルエアバッグシステムが全車に標準装備された他、CVT車には坂道発進補助ブレーキシステムが装備されました。そして2003年11月にマイナーチェンジが実施され、キーレスエントリーシステムとイモビライザーが標準装備されました。
次いで2004年10月に一部改良が実施され、アンダーカバー類の装着による空力特性の改善とIMAシステムの高効率化により、MT車の燃費が36km/Lに向上しました(CVT車の燃費は変わらず)。そして2006年7月に生産終了となり、2009年2月に2代目モデルが登場するまでインサイトの車名はラインナップから消滅しました。
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