スズキ自動車は2003年1月、2人乗りの新型軽乗用車「ツイン」を発売しました。ドイツ製のマイクロカー「スマート」に類似したコンセプトを持つミニマムコニューターで、4人乗りが一般的な軽乗用車の中で異例の存在でした。又、軽自動車初のハイブリッド車も設定されたものの、ガソリン車も含め販売は振るわず、発売から僅か3年足らずで全車生産終了となりました。
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スマートに近いディメンション
ボディタイプはガラスハッチを持つ2ドア・2ボックス型で、丸みを帯びたフォルムや丸形2灯式ヘッドランプの採用などによるファニーなスタイリングが特徴でした。ボディサイズは全長2,735mm×全幅1,475mm×全高1,450mmで、全長は軽自動車規格の上限値よりも600mm以上短く、初代スマートに近いディメンションとなっていました。
ホイールベースは1,800mmで「アルト」や「ワゴンR」といった同社の主力軽乗用車よりも500mm以上短く、結果3.6mという最小回転半径を実現していました。又、車両重量は初期型で560~600kg(ガソリン車)/730kg(ハイブリッド車)と極めて軽量に抑えられていました。サスペンション形式はアルトなどと同様のフロント:ストラット式/リア:I.T.L式で、駆動方式はFFのみの設定でした。
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エンジンはアルト用をデチューンして搭載
エンジンは、ガソリンモデル/ハイブリッドモデル共にアルトなどにも搭載される660cc直3DOHCのK6A型が、最高出力44ps/最大トルク5.8kgmにデチューンされた上で搭載されました。又、ハイブリッドモデルの方式はパラレル式で、バッテリーは鉛タイプを採用、搭載されるモーターは最高出力5kW/最大トルク3.3kgmのスペックでした。
トランスミッションは、ガソリンモデルには5速MT又は3速トルコン式ATが、ハイブリッドモデルには4速トルコン式ATが組み合わせられました。10.15モード燃費はガソリンモデルが22~26km/L、ハイブリッドモデルが32km/Lでした。インテリアはセンターメーター方式を採用し、安全装備面では運転席SRSエアバッグシステムとABSが全車に標準装備されました。
当初のグレード体系は、ガソリンモデルはベースグレード「ガソリンA」とエアコンやパワーステアリング、助手席SRSエアバッグシステムなどが装備される「ガソリンB」の2タイプで、ハイブリッドモデルはガソリンBに準じた装備を持つ「ハイブリッドB」のモノグレード設定だったものの、追って同年3月にエアコンなどを省いた廉価グレード「ハイブリッドA」が追加されました。
そして同年6月、ガソリンAに「エアコン/パワステ付」が設定されると同時に、ガソリンAとガソリンBの間を埋める3速AT搭載の新グレード「ガソリンV」が追加されました。次いで2004年1月に一部改良が実施され、装備の充実化やボディカラーの変更などが図られると共に、ガソリンBに専用ボディカラーや専用シートなどが備わる「カラーパッケージ」が設定されました。
続いて2005年2月の仕様変更でボディカラーの入れ替えが行われると同時に、ハイブリッドモデルが廃止されました。そして同年6月、後継車種が発売される事もなくガソリンモデルも生産終了となり、同年9月をもって販売も終了となりました。