それまでに勤めていた会社を辞め、実家のある山形へ戻ることになり、まずこちらでは車の運転ができないことには一人前の大人としてみなされないと母が言うので、自動車学校に一週間ほど通いました。運転の感覚を取り戻し、まず、就職して会社に通勤するにも、自分の行きたい所に行くにも、こちらでは車がないことにはお話にならないというので、とうとう私も車を買わなくてはいけなくなりました。
私としては、毎日の様に新聞の折り込みチラシに入ってくる新古車専門店で購入することを予定していました。実際にその新古車専門店に行くと、運転からしばらく遠ざかっていた私でもすぐにでも運転出来そうな車がたくさんあり、その中でも一番価格の安い車を選び、お店の方に見積もりを出して貰いました。
新古車は諸費用を入れると100万円近く
車両本体とその他にも色々とかかる金額を合わせると、100万円近く掛かってしまう様でした。実家で待つ両親に電話をすると、いつ事故にあうかもわからないペーパードライバーのお前が乗る車にそんなにお金はかけていられないと言うので、折角車屋さんといい具合に話が進んでいたというのに、その新古車専門店での交渉は、あえなく破断となってしまいました。父曰く「俺がもっと安い車を見つけてやる」との事。
数日後、父は確かに安い車を見つけてきました。10年以上前の古い型のスズキのワゴンRです。
三代目スズキ・ワゴンRはこんなクルマ
何と車両本体価格9万円、その他に掛かる費用コミコミで20万円を切っていたと思われます。私はそんな冗談みたいな値段の車があるのかと思い、納品書なり請求書を見せてもらうと、確かに20万円を切っていました。しかしその車は走行距離は既に10万キロを超え、塗装も所々剥げていて、ちょっとみすぼらしいなと言う印象は否めませんでした。
父親の言っていた通り…
でも私自身、車に対してさほどこだわりはありませんでしたし、自分の運転技術に全く自信がなかったので、私の様な物が運転する車はこんな感じのみすぼらしい車で十分だとも思えてきました。四輪駆動車ではなかった為、冬道では何度も死ぬ思いをしました。
父親の言っていた通り、私は乗り始めて間も無くして車をぶつけてしまうという事故を起こした為、この車にして正解だったなと思います。ワゴンRは非常に運転はしやすく、荷物を載せるスペースも十分にあったので、次に車を買う時もワゴンRがいいなと思っていたのですが、車にガタが来た頃に、夫のお母さんから乗らなくなった車をタダで頂くことが出来ました。私は自動車運がいいです。