アルファロメオは1998年に「164」の後継モデルとなり、「156」の上位モデルに位置付けられるフラッグシップ4ドアセダン「166」を発表しました。プラットフォームが一新され、同じフィアット・グループに属する「ランチア・カッパ」用がベースとなった他、スタイリングも方向性を大きく変え、アグレッシブかつ個性的なイメージに変貌しました。
社内デザインを採用
ピニンファリーナ・デザインの164から一転、ウォルター・デ・シルバ率いる社内チームによりデザインが手掛けられたボディのサイズは、全長4,730mm×全幅1,815mm×全高1,445mmで、164からそれぞれ65mm×55mm×45mm拡大されました。ホイールベースは40mm延長され2,700mmとなり、車両重量も増加し1,420~1,550kgとなりました。
サスペンション形式は164の4輪ストラット式から全面的に変更され、フロント:ダブルウィッシュボーン式/リア:マルチリンク式となりました。駆動方式はフルタイム4WDも用意された164と異なり、FFに一本化されました。エンジンは、発売当初2L直4DOHC NA、2L V6DOHCターボ、2.5L V6DOHC NA、3L V6DOHC NAの4種類のガソリンユニットと、2.4L直5SOHCディーゼル・ターボが用意されました。
最高出力/最大トルクは、それぞれ155ps/19.1kgm、205ps/28.6kgm、190ps/22.6kgm、226ps/28kgm、136ps/31kgmでした。トランスミッションは、ガソリン2L 直4NAと2.5L V6が5速MT、ガソリン2L V6ターボとディーゼル2.4L直5ターボが6速MT、ガソリン3L V6が6速MT及び4速(日本・北米仕様)/5速(欧州仕様)トルコン式ATでした。
安全・快適装備が充実
安全装備面では、SRSデュアル&サイドエアバッグシステム、ABS、HBA(ブレーキアシスト)、VDC(横滑り防止装置)、ARS(アンチスリップ・レギュレーション)、MRS(エンジンブレーキ・コントロール)が標準装備されました。又、快適装備としてはナビゲーションシステムやトリップコンピューターがセットとなる「ICS」をはじめ、パワーシート、シートヒーター、レザーシート、クルーズコントロールなどが用意されました。
そして2001年に、3L V6エンジンが変更されスペックが最高出力220ps/26.9kgmとなり、次いで2003年には3.2L V6DOHCエンジン(最高出力240ps/最大トルク29.5kmg)搭載グレードが追加されました。そして2004年のマイナーチェンジでフェイスリフトが行われた後、2008年に後継モデルの発売もないまま生産終了となりました。
日本市場には、1999年9月に4速AT搭載の「2.5V6 24Vスポルトロニック」と「3.0V6 24Vスポルトロニック」が導入され、2001年9月にはエンジンが置換された後者に一本化されました。そして2004年9月にマイナーチェンジ版が導入された際に、上級グレード「3.0V6 24Vスポルトロニック エグゼクティブ」の追加により2グレード体系となり、そのまま2008年10月まで販売が続けられました。