1978年秋、アウディNSUアウトウニオンAGは小型車「アウディ・80」に6年ぶり初のフルモデルチェンジを実施し、2代目B2系に移行させました。先代からボディサイズが一回り大きくなり、トランクスペースの拡大に繋がりました。又、後にフルタイム4WD方式を採用した「80クワトロ」が追加された事もトピックでした。
サスペンション形式を一新
ボディタイプは、北米市場などを対象に設定されていたステーションワゴン「アヴァント」が廃止され、全世界共通で2ドア/4ドアセダンのラインナップになりました。先代に引き続きジウジアーロの手によりデザインされたエクステリアは、4ドアセダンが6ライトウィンドウ化される変更はあったものの、角型2灯式ヘッドランプや直線基調のフォルムなど基本的な特徴は受け継がれました。
ボディサイズは全長4,383mm×全幅1,682mm×全高1,365mmで、先代から全長がおよそ200mm延長され、全幅も80mm程拡大されました。又、ホイールベースは70mm程長い2,540mmに設定されました。サスペンション形式は、フロントがダブルウィッシュボーン式からマクファーソンストラット式に、リアはトーション・クランク・アクスル式からトレーリングアーム式に変更されました。
駆動方式は当初は先代同様FFのみの設定で、エンジンはまず1.3L直4SOHC(最高出力56ps)と1.6L直4SOHC(最高出力86ps)のガソリン2種類が用意されました。組み合わせられるトランスミッションは、先代同様4速MTと3速トルコン式ATが設定されました。その他の機構面では、ラック&ピニオン式のステアリング形式やフロント:ディスク式/リア:ドラム式のブレーキ形式などは先代と同様でした。
そして1983年、前述のクワトロが追加になりました。角型4灯式ヘッドランプと前後にスポイラーが装着されるボディに、上級車種「アウディ・100CD」からコンバートされた2.1L直4SOHCエンジン(最高出力136ps)が搭載され、5速MTとの組み合わせにより最高速度193km/h・0-60mph加速8.8sの動力性能を発揮しました。
フェイスリフトで空力特性が向上
次いで1984年のフェイスリフトと同時に、2L直5SOHC(最高出力115ps)及び2.2L直5SOHC(最高出力136ps)のガソリンエンジンと、1.6L直4SOHCディーゼルターボエンジン(最高出力70ps)を搭載する上級車種「アウディ・90」が発売されました。続いて翌1985年にもフェイスリフトが実施され、内外装が100に類似した意匠に変更されました。
それと共に、100同様にボディのフラッシュサーフェス化が行われ空力特性が向上しました。同時に、クワトロ・シリーズが90に編入されラインナップから外れました。そして翌1986年にフルモデルチェンジが実施され、3代目B3系に移行しました。日本市場における2代目80は、先代同様ヤナセの手により4ドアモデルのみが輸入販売されました。
まず最初に1.6Lエンジン(最高出力82ps)搭載のCL/GLEが導入され、1981年にエンジンを1.8L(最高出力92ps)に置換したCLE/GLEに変更されました。次いで1984年には、2.2L直5エンジン搭載のGL5E(最高出力105ps)及びクワトロ(最高出力120ps)の導入が開始され、GLEはカタログ落ちしました。