マツダは東洋工業時代の1963年10月、当時オート3輪や軽自動車を主力としていた同社として初の本格派ファミリーカーとなる初代「ファミリア」を発売しました。市場調査の結果を反映して3ドアの商用ライトバンからリリースされ、後に2ドア/4ドアセダンや2ドアクーペ、2ドアピックアップトラックが追加されるなどボディバリエーションの拡大が図られました。
形式名:SSA/SPA/MPA/MSAP/ BSAVD/BPAV /BSA55/BPA55
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エンジンはキャロル用の拡大版
当初のライトバン仕様「ファミリアバン」のボディスペックは、全長3,635mm×全幅1,465mm×全高1,390mm、ホイールベース2,140mm、車両重量720kgでした。サスペンションはフロント:ダブルウィッシュボーン式/リア:リジッド・リーフ式の手堅い形式で、駆動方式もコンベンショナルなFRが採用されました。
エンジンは当初、先行して販売されていた軽/普通乗用車「キャロル360/600」用のアルミ合金製直4OHVの排気量を800ccに拡大したユニットが搭載されました。スペックは最高出力42ps/最大トルク6kgmで、トランスミッションは4速MTが組み合わせられました。室内は5人乗りで荷室の最大積載量は400kg、グレードは「スタンダード」と「デラックス」が設定されました。
そして翌1964年4月にライトバンをベースに乗用車仕様とした「ファミリアワゴン800」が、同年10月にイタリアのベルトーネがデザインを手掛けた4ドアセダン「ファミリア800セダン」が、更に翌11月に同じくベルトーネデザインによる2ドアセダン「ファミリア2ドアセダン800」が相次いで追加されました。
セダンはホイールベースが50mm延長された他、バンパーオーバーライダーの装着により全長が3,700mmとなっていました。又、エクステリア面では4灯式ヘッドランプの採用によりライトバンとの差別化が図られていました。次いで1965年4月に2速トルコン式AT仕様が、更に同年10月には800ccエンジンを最高出力52psにチューンナップして搭載する「ファミリアS」が追加されました。
クーペには新開発の1Lエンジンを搭載
追って翌11月、ベルトーネデザインのクーペボディに新開発の1L直4SOHCツインキャブレターエンジン(最高出力68ps/最大トルク8.1kgm)を搭載する「ファミリアクーペ1000」が追加されました。シャシーはセダンと共通で、全高1,345mmの低くスタイリッシュなプロポーションが特徴でした。次いで1966年3月に800ccエンジンに改良が施され、アウトプットが最高出力45ps/最大トルク6.3kgmに向上しました。
同時に、ライトバンにセダンと同様のフロントマスクが与えられました。続いて翌1967年1月のマイナーチェンジでヘッドランプが楕円形2灯式に変更されると共に、セダンに1Lシングルキャブレターエンジン(最高出力58ps/最大トルク7.9kgm)搭載車が追加されました。そして1967年11月にフルモデルチェンジが実施され、2代目モデルに移行しました。
後継モデル:2代目ファミリア