かつてイギリスに存在していた自働車メーカー、ローバー・グループは、1989年10月に新型小型乗用車の2代目「ローバー・200」を発売しました。本田技研工業との共同開発により誕生したモデルで、前年に発売された「ホンダ・コンチェルト」と姉妹車種関係にありました。なお、初代ローバー・200の後継モデルは本車種ではなく、翌年に発売された4ドアセダン「ローバー・400」でした。
多彩なボディ・バリエーション
ボディタイプは、ホンダ・コンチェルト同様の5ドアハッチバックのほか、3ドアハッチバック、5ドアステーションワゴン、2ドアクーペ、2ドアカブリオレと多彩なラインナップが用意されました。スタイリングは、5ドアハッチバックの場合基本的にコンチェルトと共通のボディシェルを用いながら、フロントまわりとリアまわりにはオリジナルの意匠が採用されました。
また、クーペなどはそれとはまったく異なるスタイリッシュなフォルムを備えていました。ボディサイズは全長4,220~4,370mm×全幅1,680mm×全高1,370~1,400mmで、ホイールベースは全車共通の2,550mmでした。サスペンション形式は、4輪ダブルウィッシュボーン式のコンチェルトに対し、フロントにマクファーソンストラット式が採用される点が異なっていました。
エンジンはホンダ製、ローバー製、PSA製を用意
駆動方式はコンチェルト同様FFで、エンジンは当初、ローバー製の1.4L直4DOHCガソリン、ホンダ製の1.6L直4SOHCおよびDOHCガソリン、PSA製の1.8L直4ディーゼルターボおよび1.9L直4ディーゼルNAが用意されました。トランスミッションは、5速MTと4速トルコン式ATが設定されました。また、安全装備面ではABSとSRS運転席エアバッグシステムが標準装備されました。
その後1991年に、ローバー製2L直4DOHCガソリンエンジンが追加されました。次いで1992年のマイナーチェンジでフロント・ターンシグナルランプの意匠変更を受け、翌1993年の2度目のマイナーチェンジではフロントグリルの意匠が刷新されました。そして1995年にフルモデルチェンジが実施され、3代目R3型ローバー・200に移行しました。
日本には3種類のボディを導入
日本市場においては、本国でのデビューから3年以上が経過した1993年1月にようやく初上陸を果たしました。ラインナップは、1.6L直4DOHCエンジン(最高出力120ps/最大トルク14.2kgm)+4速AT搭載の3ドアハッチバック「216GTi」と「216クーぺ」および「216カブリオレ」、2L直4DOHCターボエンジン(最高出力200ps/最大トルク24.1kgm)+5速MT搭載の3ドアハッチバック「220GTi」および「220クーペ」の全5タイプが用意されました。
装備面では、2L車には世界初のトルセン式トラクションコントロールが採用されました。