日産自動車は1980年10月、「ブルーバード」の上位に位置する高級パーソナルカーとして、日産店から「レパード」、日産チェリー店から「レパードTR-X(トライエックス)」を発売しました。ベースとなったのは910型「ブルーバード」のボディを拡大した北米向けモデルG910型「マキシマ」で、610/810型ブルーバードに設定された6気筒モデルの後継車種として位置付けられました。
先進的な装備を設定
ボディタイプは2ドアハードトップと4ドアピラードハードトップの2タイプで、共にリアウィンドウにサイドまで回り込んだベンドグラスが採用されるなど、ブルーバードやマキシマとは全く異なるエクステリアデザインが採用されました。又、レパードとレパードTR-Xではヘッドランプのデザインが異なっていました。
ボディサイズは全長4,630mm×全幅1,690mm×全高1,335~1,355mmで、全長・全幅がブルーバードから拡大され、ホイールベースも100mm長い2,625mmに設定されていました。サスペンション形式はブルーバード/マキシマと同様、フロント:マクファーソンストラット式/リア:セミトレーリングアーム式による4輪独立懸架で、駆動方式もFRが踏襲されました。
エンジンは当初、1.8L直4SOHCシングルキャブレター仕様のZ18型(最高出力105ps/最大トルク15kgm)、2L直6SOHC電子燃料噴射仕様のL20E型(最高出力125ps/最大トルク17kgm)、2.8L直6SOHC電子燃料噴射仕様のL28E型(最高出力145ps/最大トルク23kgm)の3種類が用意され、トランスミッションはそれぞれに5速MTと3速トルコン式ATが設定されました。
装備面では、車高を一定に保つオートレベライザー、クルーズコントロールの「ASCD」、エレクトロニック・デジタルメーター、各種情報を電子音声で案内するエレクトロニック・ボイスインフォメーション、AM/FM電子チューナー&メタルテープ対応カセットデッキ付オーディオシステム、ワイパー付ミラーが設定されるなど、当時として最先端を行くものでした。
日産 レパードのCM
ターボエンジン車を追加
当初のグレード体系は、下から180F/180CF/200XF(4ドアHTのみ)/200XCF/200XSP/200XSFL/280XCF/280XSFLがラインナップされました。そして1981年7月、L20E型にターボチャージャーを装備したL20ET型エンジン(最高出力145ps/最大トルク21kgm)を搭載する「TURBO」シリーズ(GX/SGX/ZGX)が追加されました。
次いで1982年9月のマイナーチェンジでフロントグリルやリアコンビネーションランプの意匠が変更されると同時に、ATが4速に多段化されました。又、L28E型エンジン搭載車が廃止された一方でL20ET型エンジン搭載の最上級グレード「ZGXスーパーエディション」が追加されるなど、グレード体系の見直しも行われました。
続いて1984年6月、3L V6SOHCターボのVG30ET型エンジン(最高出力230ps/最大トルク34kgm)を搭載する「300ターボグランドエディション」が追加されました。そして1986年2月にフルモデルチェンジが実施され、2代目F31型に移行しました。
後継モデル:2代目レパード