ホンダのコンパクト・ミニバン「フリード」は、「モビリオ」の後継モデルとして2008年5月に発売されました。モビリオに対し内外装の大幅なイメージチェンジが図られた他、プラットフォームの改良に伴うスペースユーティリティーの向上や、パワートレイン改良による動力性能・燃費性能の向上など、総合的な魅力度がアップしたモデルとなりました。
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アグレッシブなスタイリングに変貌
スタイリングは、モビリオが直線基調のボクシーなデザインであったのに対し、フリードでは曲線を基調としたウェッジシェイプのアグレッシブなデザインへと大幅に路線変更されました。左右両側に後席用スライドドアを備える点はモビリオから踏襲しつつ、開口部が拡大され乗降性が向上した他、居住性が改善され、インパネのデザインも一新されました。
ボディサイズは全長4,215mm×全幅1,695mm×全高1,715mm~1,745mmで、モビリオよりも全長と全幅が拡大されたものの、取り回し性を考慮し5ナンバーサイズは踏襲されました。ホイールベースはモビリオと同一の2,740mmで、車両重量は若干増加し1,280kg~1,400kgとなりました。又、乗車定員は5人乗りと7人乗りに加え、クラス初の8人乗り仕様が設定されました。
パワー・燃費共に向上
駆動方式はモビリオ同様FFとフルタイム4WDで、サスペンション形式は前:ストラット式/後リジッドアクスル式(FF)・ドディオンアクスル式(4WD)が踏襲されました。エンジンもモビリオ同様の1.5L直4SOHCのL15A型ながら、i-VTEC化によりスペックが最高出力118ps/6,600rpm、最大トルク14.7kgm/4,800rpmに向上すると共に、燃費も改善されました。トランスミッションは、全車トルコン付の新世代CVTに変更されました。
そして2010年7月、派生モデル「フリード・スパイク」が発売されました。「モビリオ・スパイク」の後継モデルとしての位置付けになり、それと同様にフロントマスクの変更やサイドウィンドウが6ライトから4ライトに変更されるなどにより、ベースモデルとの差別化が図られました。次いで同年11月にマイナーチェンジを実施し、CVTの改良や燃費優先の統括制御を行う「ECONモード」の採用により、燃費が向上しました。
ハイブリッドを追加
翌2011年10月に2度目のマイナーチェンジを実施し、内外装の変更や乗車定員の変更(6人及び7人乗りに)が行われた他、ハイブリッド仕様が追加されました。ハイブリッド専用の1.5L直4エンジンと「インテグレーテッドモーターアシスト」、及び専用設計のCVTにより構成されるシステムを搭載し、最高出力99ps/5,400rpm、最大トルク16.6kgm/1,000~1,500rpmのパワーと、24km/Lの燃費を実現しました。
次いで2014年4月に3度目のマイナーチェンジを実施し、内外装のデザイン変更や装備の充実が行われました。フリードは、扱い易いサイズと優れたスペースユーティリティー、良好な経済性などを併せ持つ点が市場から高く評価され、2013年までは新車販売ランキングベスト10内に、それ以降もベスト20に入る人気車種となっています。