プジョーは1987年、デビュー以来10年が経過し旧態化が否めなくなった「305」に代わる新型ミディアムモデル、「405」を発売しました。ピニンファリーナの息が掛かったプレーンなスタイリングが持ち味で、当初はFF方式の4ドアセダンのみのラインナップだったものの、追って5ドアステーションワゴンの「ブレーク」や同社初のフルタイム4WDモデルが追加されました。
305からボディを拡大
ボディサイズは全長4,408mm×全幅1,714mm×全高1,406mmで、305から全長・全幅が拡大され、ホイールベースはそれより50mm程長い2,669mmに設定されました。サスペンション形式はフロント:マクファーソンストラット式/リア:レーリングアーム式による4輪独立懸架で、リアのスプリングがコイル式からトーションバー式に変更された事を除き305と同一でした。
エンジンは、まず1.4L SOHCシングルキャブレター仕様、1.6L SOHCシングルキャブレター仕様、1.9L SOHCシングルキャブレター仕様、1.9L SOHC電子燃料噴射仕様、1.9L DOHC16V電子燃料噴射仕様の5種類のガソリン直4が用意されました。トランスミションは、全車5速MTとの組み合わせでした。
高性能モデルも用意
又、グレード体系は「GL」「GR」「GRI」「SR」「SRI」「MI16」の6タイプがラインナップされました。その頂点に位置するMI16は、エアロパーツなど専用の内外装が備わるボディに1.9L DOHC16Vエンジン(最高出力160hp/最大トルク18.4kgm)を搭載する高性能版で、最高速度220km/h・0-100km/h加速8.6sの動力性能を備えていました。
又、ブレーキはフロントがベンチレーテッド型の4輪ディスク式が奢られた他、ABSが標準装備されました。そして翌1988年、1.9L直4SOHC NA及び1.8L直4SOHCターボの2種類のディーゼルエンジンが加わった他、4速トルコン式ATが設定されました。又、ブレークが登場したのもこの年の事でした。
M/Cでボディ剛性がアップ
ブレークに用意されたエンジンは、1.6L/1.9L SOHCシングルキャブレター仕様、1.9L SOHC電子燃料噴射仕様のガソリン3種類と、前述のディーゼル2種類でした。次いで1989年、MI16のフルタイム4WD版となる「MI16×4」がリリースされました。続いて1992年にマイナーチェンジが実施され、エクステリアの一部変更と共にボディ剛性の強化やサスペンションの改良などが行われました。
同時に、ガソリン1.9Lエンジンが新開発の1.8L/2L直4エンジンに置き換えられました。1.8LはSOHC電子燃料噴射仕様で、2LはSOHC電子燃料噴射仕様とDOHC16V電子燃料噴射仕様が用意されました。更にこの年、ターボチャージャー付き2L DOHC16Vエンジン(最高出力200hp/最大トルク30kgm)を搭載し、フルタイム4WD方式を採用する「T16」がリリースされました。
そして1995年に後継モデル「406」が登場した事により、2年後の1997年に生産終了となりました。日本市場においては、1989年にまずガソリン1.9L SOHC電子燃料噴射エンジン(最高出力110ps/最大トルク16.6kgm)搭載のSRIと、同DOHCエンジン(最高出力150ps/最大トルク17.3kgm)搭載のMI16が上陸し、翌1990年にMI16×4とSRI-EXブレークが追加されました。