GMは1953年、シボレー・ブランドとして初の2シーターオープンスポーツカー「コルベット」のプロトタイプを発表、翌1954年に量産型の市販を開始しました。当初は、ベンチマークと目していた欧州のライバルと比較して凡庸なパフォーマンスであったものの、順次エンジンの性能向上が図られ、モデル末期には本格的なスポーツカーへと昇華を果たしました。
FRP製ボディを採用
基本構造はスチール製フレームと量販車初のFRPボディの組み合わせで、当初はソフトトップ仕様のみの設定でした。スタイリングは曲線基調で、初期型はメッシュ付きの2灯式ヘッドランプとテールフィンが特徴でした。ボディ・ディメンションは全長4,242mm×全幅1,834mm×全高1,323mm、ホイールベース2,591mmで、車両重量は1,293kgでした。
駆動方式はコンベンショナルなFRで、エンジンは当初、基本設計を1928年まで遡る3.9L直6OHVが搭載されました。3連キャブレターを装備し最高出力150hpを発生、2速トルコン式ATとの組み合わせによる最高速度は163km/hでした。又、ブレーキは当初4輪ドラム式が採用されました。そして翌1955年、早くも最初のフェイスリフトが実施されました。
ボディ側面に「サーフライン」と呼ばれる窪みが設けられ、ヘッドランプのメッシュが廃止された他、新たにFRP製ハードトップが用意されました。同時に、エンジンの最高出力が155hpに向上した他、オプションで4.3L V8OHVシングルキャブレター仕様エンジン(最高出力210hp)と3速MTが用意されました。
エンジンの排気量を拡大
そして翌1956年、直6エンジンがカタログ落ちしてV8エンジンに一本化されました。更に1957年にはエンジンの排気量が4.6Lに拡大されると共に、標準のツインキャブレター仕様に加えオプションで燃料噴射仕様が設定されました。同時に、4速MT仕様が追加されました。次いで1958年のフェイスリフトでヘッドランプが4灯式に変更されると共に、テールフィンが廃止されました。
同時に、インテリアの意匠変更や装備の充実化が図られた他、メカニズム面ではエンジンの最高出力が220hpから230hpに高められると共に、フロント・ディスクブレーキがオプション設定されました。次いで1961年に3度目のフェイスリフトが実施され、フロントグリルの意匠が変更されると共にリアエンドの造形が大きく変わりました。
同時に、エンジンが5.3L V8OHVシングルキャブレター仕様(最高出力250hp)に置換されました。そして1963年にフルモデルチェンジが実施され、「コルベットスティングレイ」と呼ばれる2代目C2型に移行しました。