初代モデルのデビューを1951年まで遡るトヨタ自動車のクロスカントリー型SUV「ランドクルーザー」は、1984年11月にそれまでの40系に代わるニューモデルとして70系がリリースされました。それと同時に、輸出向けにそのライトデューティー版となる乗用ワゴンが設定され、翌1985年10月に日本市場での販売が開始されました。
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ショートホイールベース仕様のみを用意
ラダー式フレームに架装されるボディは、ヘビーデューティー版である商用バン(以下ヘビー系)同様2ドアのみの設定でした。ホイールベースはショートホイールベース仕様のみの設定で、ヘビー系に設定のあったロングホイールベース仕様は用意されませんでした。また、トップの仕様は、国内向けモデルはメタルトップ仕様のみの設定でした。
一方で、輸出仕様にはソフトトップ(幌)仕様も用意されていました。スタイリングは40系から大幅にモダナイズされたほか、ヘビー系との比較では短くかつワイド化されたボンネットを採用するなど、より乗用車的なデザインとなっていました。ボディ・ディメンションは全長3,975mm×全幅1,690mm×全高1,865mm、ホイールベース2,310mmでした。
4輪コイル式サスペンションを採用
ヘビー系ショートホイールベース仕様との比較では、全高が若干低い事をのぞき共通でした。サスペンション形式は、ヘビー系が40系同様の4輪リジッド・リーフ式を踏襲していたのに対し、フロントがリーディングアーム式、リアがトレーリングアーム式による4輪コイル式が採用されました。
駆動方式はヘビー系同様パートタイム4WDのみの設定で、エンジンは国内向けモデルには2.4L直4SOHCディーゼルターボの2L-T型(最高出力85ps/最大トルク19.2kgm)が搭載されました。一方輸出仕様には、2L直4SOHCガソリンNAの22R型や2L直4SOHCディーゼルNAの2L型も用意されました。組み合わせられるトランスミッションは、5速MTのみの設定でした。
LSDをオプション設定
ブレーキはヘビー系ショートホイールベース仕様同様、フロントにソリッド・ディスク式、リアにドラム式が採用され、タイヤは215SR15サイズが装着されました。また、オプションでリミテッドスリップデフが設定されていました。グレード体系は、標準グレード「LX5」と上級グレード「SX5」の2タイプのラインナップでした。
装備面では、両グレードにリアワイパーやチルトステアリング、分割式リアシートが採用された他、SX5にはAM/FMラジオ(LX5はAMラジオ)が装備されました。また、両グレードともにサンルーフがオプション設定されていました。その後大きな仕様変更やラインナップの追加などは行われず、1990年1月をもって生産終了となりました。
後継モデルとして、同年4月に70系「ランドクルーザープラド」がリリースされました。