ゼネラルモーターズ(GM)が1973年にビュイック・ブランドよりリリースした中型乗用車「リーガル」は、1996年に実施された3度目のフルモデルチェンジにより4代目モデルに移行しました。2ドアクーペが廃止され4ドアセダンに一本化されたほか、エンジンが一新されるとともにメカニカルスーパーチャージャー仕様が設定されました。
3.8L V6エンジンを搭載
プラットフォームは、「Wプラットフォーム」がキャリオーバーされました。スタイリングは丸みを帯びたフォルムを継承しながらも、サイドウィンドウが6ライトから4ライトに変更されるなどイメージの刷新が図られていました。ボディサイズは全長4,983mm×全幅1,847mm×全高1,438mmで、先代から一回り拡大されました。また、ホイールベースもわずかに延長され2,769mmとなっていました。
駆動方式はFFを踏襲し、エンジンは3.8L V6OHV NA(最高出力203ps/最大トルク31.1kgm)および同スーパーチャージド(最高出力243ps/最大トルク38.8kgm)の2種類が用意されました。トランスミッションは、いずれも4速トルコン式ATが組み合わせられました。また、サスペンション形式はフロント:マクファーソンストラット式/リア:トレーリングアーム式が踏襲されました。
ブレーキは先代同様フロントがベンチレーテッド型の4輪ディスク式で、ステアリング形式もラック&ピニオン式が踏襲されました。一方室内は、先代にオプション設定されたフロント・ベンチシートの6人乗り仕様が廃止され、全車フロント・セパレートシートの5人乗り仕様に一本化されました。また、装備面ではレザーシートやデュアルエアコン、8スピーカーサラウンドサウンドシステムなどが標準で備わりました。
グレードは2タイプ
グレード体系は、NAエンジン搭載の「LS」とスーパーチャージドエンジン搭載の「GS」の2タイプがラインナップされました。その後2001年に、16インチアルミホイールやツートーンのレザーシートおよびレザーステアリングホイールなどが備わる「ジョセフ・アブード・エディション」が設定されました。
そして翌2002年、上海にあるGMの工場において中国版「ビュイック・センチュリー」の後継モデルとして生産が開始されました。エンジンは北米仕様と異なり、2L直4と2.5L V6が用意されました。一方北米市場では、2004年に後継モデル「ビュイック・ラクロス」がデビューしたことにともない生産終了となりました。中国ではその後も生産が継続され、2008年に現行型となる5代目モデルにバトンタッチされました。