クライスラー(現フィアット・クライスラー)は1982年、ダッジ・ブランドのFFコンパクトカー「オムニ」の上級グレード名を「024」から「チャージャー」に改め、さらに翌1983年には車名からオムニが外れ単なるチャージャーとなりました。このような経緯で誕生した2代目チャージャーは、大排気量エンジン搭載のマッスルカーであった初代チャージャーとはクラスやキャラクターが全く異なっていました。
エンジンは直4のみ
「プリマス・ホライズン」などと共通の「Lプラットフォーム」に架装されるボディは、2ボックス型の3ドアハッチバックのみの設定でした。スタイリングは直線基調で、太いCピラーと角型4灯式ヘッドランプを備えていました。ボディ・ディメンションは全長4,440mm×全幅1,679mm×全高1,290mm、ホイールベース2,450mmでした。
このディメンションは、初代チャージャーと比較すると二回り以上もコンパクトなものでした。エンジンは当初、1.6L直4SOHCシングル・キャブレター仕様(最高出力65ps/最大トルク12kgm)と、2.2L直4SOHCシングル・キャブレター仕様(最高出力97ps/最大トルク16.4kgm)の2種類が用意されました。エンジン・ラインナップの面でも、3.7~7.2Lを搭載した初代から大幅にダウンサイジングされました。
トランスミッションは、1.6Lには4速MTが、2.2Lには5速MTが組み合わせられました。また、ステアリング形式はロック・トゥ・ロック3.6回転のラック&ピニオン式が採用されました。ブレーキはフロントがベンチレーテッド・ディスク式、リアがドラム式で、ホイール&タイヤは5J×13インチホイール+165/80R13タイヤの組み合わせが装着されました。
ハイパフォーマンス版「シェルビー」も用意
また、ハイパフォーマンス版として最高出力が109psまで高められた2.2Lエンジン、強化された足回りやブレーキ、クイックなステアリングレシオ、専用フロントマスクなどが備わる「シェルビー」がラインナップされました。その後1984年に、シェルビー用エンジンの最高出力が112psに向上するとともに、3速トルコン式ATがオプション設定されました。
追って翌1985年には、2.2L直4SOHC電子燃料噴射ターボエンジン(最高出力148ps/最大トルク23.1kgm)を搭載する「シェルビーターボ」が追加されました。さらに1987年、2.2Lターボエンジンのアウトプットを最高出力177ps/最大トルク24.2kgmまで高めて搭載し、コニ製の車高調整式ダンパーやZ規格のタイヤなどが備わる「シェルビーGLHS」がリリースされました。
パフォーマンスは最高速度が217km/hに達するなど、ベースモデルと比較するとはるかに高いものでした。そしてこの年、プラットフォームを共有する「ダッジ・デイトナ」に統合される形で生産終了となりました。