フォルクスワーゲンAGは2002年8月、ドイツ国内において4代目ゴルフ(ゴルフⅣ)をベースとした高性能バージョン「R32」を発売しました。同社の高級サルーン「フェートン」譲りの強力なV6エンジンを搭載、さらにトラクション性能に優れたフルタイム4WD方式の採用により、歴代ゴルフ最速モデルに仕上げられていました。
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エクステリアでも差別化
ボディタイプはベースモデル同様、3ドアハッチバックと5ドアハッチバックが用意されました。エクステリア・デザインは、専用エアロバンパーやサイドスカート、リアスポイラー、デュアルエクゾーストパイプなどによりベースモデルとの差別化が図られていました。ボディ・ディメンションは全長4,165mm×全幅1,735mm×全高1,435mm、ホイールベース2,525mmでした。
ベースモデルとの比較では全長が10mm長く、全高は20mmローダウンされていました。採用された4WDシステム「4 MOTION」はハルデックス・カップリング式で、通常はFFで走行し前輪が滑った時のみ後輪に駆動力をかけるオンデマンドタイプでした。エンジンは3.2L V6DOHC24バルブNAで、最高出力241ps/6,250rpm・最大トルク32.6kgm/2,800-3,200rpmのアウトプットを発生しました。
スポーツカーに匹敵する性能
それまでゴルフ最強を誇った「GTI」に搭載される1.8L直4ターボエンジンと比較すると、91ps/11.2kgmも上回っていました。トランスミッションは6速MTが組み合わせられ、最高速度247km/h・0-100km/h加速6.6sというスポーツカー並みのパフォーマンスを発揮しました。サスペンションは、専用のスポーツサスペンションが採用されました。
形式は、フロントはベースモデル同様のマクファーソンストラット式が踏襲された一方で、リアはトーションビーム式からマルチリンク式に変更されました。ブレーキは前後とも大径のベンチレーテッド・ディスク式が採用され、ホイール&タイヤはOZ製18インチアルミホイールと225/40R18タイヤの組み合わせが装着されました。
インテリアや装備も充実
安全装備面では、SRSデュアル&サイド&カーテンエアバッグシステムやEBD付きABS、フォースリミッター&テンショナー付きシートベルトなどが標準装備されました。一方インテリアは、ケーニッヒ製のシートヒーター付きレザーシートや本革巻きステアリングホイール、アルミペダルなどが採用されました。また、快適装備面ではオートエアコンやクルーズコントロールなどが標準装備されました。
その後、翌2003年末にベースモデルが5代目「ゴルフⅤ」にフルモデルチェンジされたことにともない、R32の生産は打ち切られました。日本市場への初上陸は2003年1月で、当初は3ドア・左ハンドル仕様車のみの設定でした。その後、同年5月に5ドア・右ハンドル仕様車に切り替えられました。
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