かつて存在していた自動車メーカー、アメリカン・モーターズは、1983年にジープ・ブランドのステーションワゴン型SUV「チェロキー」に9年ぶり初のフルモデルチェンジを実施し、2代目XJ型に移行させました。エンジンをのぞき全面的にリニューアルされ、独立したフレームを廃したフルモノコックボディが採用されました。
フロント・サスペンションを変更
ボディタイプは先代同様、3ドアと5ドアが用意されました。エクステリア・デザインは直線基調で、先代と比較するとヨーロッパ車的な雰囲気を醸すものとなりました。ボディサイズは全長4,199mm×全幅1,791mm×全高1,610mmで、先代から一回り以上縮小され、ホイールベースも200mm短縮され2,576mmとなっていました。また、車両重量は約500kgも軽量化されました。
サスペンション形式は、フロントはクオドラリンク/コイル式に変更され、リアはリジッド・リーフ式が踏襲されました。駆動方式は当初パートタイムのみの設定で、エンジンは先代から大幅にダウンサイジングされ、ガソリン2.5L直4OHV(最高出力106ps/最大トルク18.3kgm)と2.8L V6OHV(最高出力117ps/最大トルク20.1kgm)のラインナップとなりました。
トランスミッションは、4速/5速MTとクライスラー製の3速トルコン式ATが設定されました。グレード体系は、当初ベースグレードと「ワゴニーア」「パイオニア」「チーフ」がラインナップされました。その後1985年に、2WD(FR)仕様車がラインナップに加わるとともに、ルノー製2.1L直4SOHCディーゼルターボエンジン(最高出力86ps/最大トルク18.3kgm)が追加されました。
4L V6エンジンを追加
また、新グレード「ラレド」が追加されたのもこの年のことでした。次いでアメリカン・モーターズがクライスラー傘下に収まった1987年には、4L直6OHVエンジン(最高出力175ps/最大トルク30.6kgm)+アイシン製4速トルコン式AT搭載車が追加されると同時に、ガソリン2.5Lエンジンが燃料噴射化され、アウトプットが最高出力119ps/最大トルク18.7kgmに向上しました。
また、グレード体系の面では新たに「リミテッド」が追加されました。続いて1991年、ワゴニーアに代わるグレード「ブライアウッド」が設定され、さらに1993年には新グレード「カントリー」が追加されました。次いで1994年、ディーゼルターボエンジンがVMモトーリ製の2.5L直4OHV(最高出力116ps/最大トルク30.6gm)に変更されました。
次いで1997年のマイナーチェンジで内外装デザインが一新されると同時に、スペアタイヤの積載場所がテールゲート背後から室内に変更されました。また、新たな安全装備としてSRSデュアルエアバッグシステムが採用されました。そして2001年にフルモデルチェンジが実施され、3代目KJ型に移行しました。