かつて存在していたアメリカの自動車メーカー、クライスラー(現フィアット・クライスラー・オートモビルズ)は、2001年にステーションワゴン型SUV「チェロキー」に18年ぶり2度目のフルモデルチェンジを実施し、3代目KJ型に移行させました。アメリカ国内においては車名が「リバティ」に変更されたものの、日本を含むそれ以外の地域ではチェロキーの名が踏襲されました。
エクステリアや足回りを一新
ボディタイプは3ドアが廃止され、5ドアに一本化されました。エクステリア・デザインは、直線基調の先代からやや丸みを帯びたフォルムに変貌しました。また、ヘッドランプが角型から丸型に変更されるなど、フロントまわりの意匠も一新されました。ボディサイズは全長4,430mm×全幅1,820mm×全高1,865mmで、先代から大幅に拡大されました。
同時に、ホイールベースも70mmほど延長され2,650mmとなりました。サスペンション形式は、フロントはクオドラリンク/コイル式からダブルウィッシュボーン/コイル式による独立懸架式に一新され、リアはリジッド・アクスル式を踏襲しながらもスプリングが半楕円リーフからコイルに変更されました。
全車4WD方式に
駆動方式は副変速機付きフルタイム4WDの「セレクトラック」と同パートタイム4WDの「コマンドトラック」の2種類で、先代に設定のあった2WDは廃止されました。エンジンは一新され、当初2.4L直4DOHC(最高出力150ps/最大トルク21.9kgm)と3.7L V6SOHC(最高出力210ps/最大トルク31.3kgm)のガソリンNA2種類が用意されました。
トランスミッションは5速MTのほか、3.7L V6には4速トルコン式ATも設定されました。ブレーキはフロントがベンチレーテッド型、リアがソリッド型の4輪ディスク式で、タイヤは235/70R16サイズが装着されました。また、ステアリング形式はパワーアシスト付のラック&ピニオン式が採用されました。
安全装備面では、SRSデュアル&サイド&カーテンエアバッグシステムやEBD付きABS、プリテンショナー&フォースリミッター付きシートベルトなどが採用されました。そして翌2002年に、北米以外の地域でVMモトーリ製の2.5L直4SOHCディーゼルターボエンジン+(最高出力143ps/最大トルク35kgm)+5速MT搭載車が追加されました。
次いで2004年には、北米市場においてVMモトーリ製2.8L直4DOHCディーゼルターボエンジン(最高出力150ps/最大トルク36.7kgm)+5速トルコン式AT搭載車が追加されました。続いて2005年にフェイスリフトが実施され、内外装デザインの刷新などが図られました。そして2007年にフルモデルチェンジが実施され、4代目KK型に移行しました。
日本市場における展開は、2001年10月にまず3.7Lエンジン+4速AT+コマンドトラックの「スポーツ」と「リミテッド」が上陸しました。その後2003年1月に、オーバーフェンダーや専用バンパーなどが備わる新グレード「レネゲード」が追加されました。