日産の3ドアファーストバック型スポーツカー「フェアレディZ」は、「フェアレディ2000」の後継モデルとして1969年にデビューしました。当初、北米仕様の排気量が2400ccであったのに対し、国内仕様は当時の税制面の問題などもあり2000ccのエンジンを搭載して発売されました。しかし、2400ccエンジン搭載車の発売を望む声が多かった為、その要望に応える形で1971年10月に2400cc版の「240Z」シリーズが発売されました。
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エアロダイナノーズが特徴
グレード体系はベースグレードの「240Z」、豪華仕様の「240Z-L」、そして最上級グレードの「240ZG」の3種類で、中でも国内専用グレードとして設定された240ZGは独自のエクステリアが備わるのが特徴でした。他のグレードが2Lエンジン搭載車と同一のエクステリアであったのに対し、240ZGには「Gノーズ(グランドノーズ)」と呼ばれるエアロダイナノーズとヘッドランプカバー、FRP製の前後オーバーフェンダーが装備されました。
特にGノーズのインパクトは大きく、ファエレディZの持ち味であるロングノーズが強調されると共に、一段とスマートなプロポーションが実現しました。又、決して美観の向上のみではなく空力特性を改善する効果があり、Cd値は当時としてトップレベルの0.39を実現しました。ボディサイズは全長4,305mm×全幅1,690mm×全高1,285mmで、他のZシリーズより全長が190mm長く、全幅が60mmワイドなディメンションでした。
2,305mmのホイールベースや4輪ストラット式サスペンション、前:ディスク式/後:ドラム式のブレーキなどは他のZシリーズから変更はなかったものの、タイヤがグレードアップされZシリーズ初となる175-HR14のラジアルタイヤが装備されました。車両重量は1,010kgで、他の240Zシリーズより若干重かったものの、2L車のホッテストグレード「Z432」よりは30kg軽量でした。
日産 フェアレディ240ZGの解説動画
日産 フェアレディ240ZG ノスタルジック2デイズ2020展示車
Z432並みの性能と扱い易い性格を両立
フロントに搭載されるエンジンは、他の240Zシリーズや北米仕様と同一の直6SOHCツインキャブレター仕様のL24型で、最高出力150ps/5,000rpm、最大トルク21kgm/4,800rpmのスペックでした。これは、2L車に搭載されたL20型よりも20ps/3.5kgm高い数値でした。又、Z432に搭載された2L直6DOHC3連キャブレター仕様のS20型より最高出力が10ps劣ったものの、最大トルクは3kgm勝る上発生回転数が低く、遥かに扱い易い性格を備えていました。
5速MT又は3速トルコン式ATを介し後輪を駆動する点は他の240Zシリーズと同様であったものの、Gノーズの効果で動力性能は僅かながら勝り、MT仕様の場合で最高速度は5km/h高い210km/h、0-400m加速は0.1s速い15.8sでした。このパフォーマンスはZ432と同一の数値であると同時に、当時の国産車として最速を誇りました。しかし、その後発生した石油ショックや公害問題の煽りを受け、240ZはZ432共々1973年に生産終了となりました。