初代モデルが1981年にデビューしたいすゞ自動車のスペシャリティカー「ピアッツァ」は、1991年9月に10年ぶりにして初のフルモデルチェンジを受け、2代目モデルに移行しました。先代からスタイリングが一新されたほか、ベースモデルが初代「ジェミニ」から3代目ジェミニに変更されたことに伴い、駆動方式がFRからFFに変更されました。
社内デザインを採用
ボディタイプは、先代同様テールゲートが備わる3ドアクーペでした。エクステリア・デザインは、ジョルジェット・ジウジアーロ率いるイタルデザインに委託された先代と異なり、社内スタッフにより行われました。そのスタイリングは、セミリトラクタブルヘッドランプやラップアラウンド・リアウィンドウが採用されるなど、先代から大きくイメージを変えていました。
ボディサイズは全長4,225mm×全幅1,695mm×全高1,315mmで、先代から全長が短縮された一方、全幅と全高は若干拡大されました。ホイールベースは3代目ジェミニと共通の2,450mmで、先代からは10mm延長されました。駆動方式は、一部グレードにフルタイム4WDが採用されたジェミニと異なり、FFのみの設定でした。
2代目ピアッツァのCM
ロータス・チューンの足回りを採用
エンジンは先代から一新されるとともに、ジェミニよりも排気量の大きい1.8L直4DOHC16バルブ電子燃料噴射NAの4XF1型(最高出力150ps/6,400rpm・最大トルク17.5kgm/5,000rpm)が搭載されました。トランスミッションは、先代やジェミニ同様5速MTと4速トルコン式ATが設定されました。ステアリング形式は、ジェミニ同様パワーアシスト付きラック&ピニオン式が採用されました。
サスペンション形式は、先代のフロント:ダブルウィッシュボーン式/リア:5リンク式から4輪マクファーソンストラット式へと一新されるとともに、英国ロータス社の手によりチューニングが手掛けられました。また、「ニシボリックサスペンションシステム」と呼ばれる4WS(4輪操舵システム)が採用されたことも特徴でした。
ブレーキは、ジェミニ同様全車にフロントがベンチテーテッド型の4輪ディスク式が採用されました。グレード体系は、「181XE(ハンドリングバイロータス)」と「181XE/S(ハンドリングバイロータス)」の2タイプで、両グレードにエアロパーツやアルミホイール、レザーステアリングホイールが、さらに181XE/Sにはクルーズコントロールやカセットデッキ付オーディオシステムが装備されました。
その後1991年9月に、ヤナセからバッジ・エンジニアリングの「ピアッツァ・ネロ」が発売されました。そして1993年12月をもって、ピアッツァ/ピアッツァ・ネロともに後継モデルのリリースもないまま販売終了となりました。
先代モデル:初代ピアッツァ