1989年に16年ぶりの復活を遂げた日産のハイパフォーマンスGTカー「スカイラインGT-R」は、1995年1月のフルモデルチェンジにより4代目となりました。先代からパワートレインや駆動方式を踏襲しながらブラッシュアップし、ドイツのニュルブルクリンク北コースでのラップタイムを一挙に21秒短縮するなど、世界最高水準のハイパフォーマンスカーに進化しました。
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拡大されたボディにハイテクメカを搭載
ボディ形状は2ドアクーペが基本で、先代よりもやや曲線的なフォルムに変化した一方で、丸型4灯式テールランプを踏襲しスカイラインとしてのアイデンティティを保持しました。又、先代同様に装備されるリアスポイラーは、角度調整機能が備わりました。ボディサイズは全長4,675mm×全幅1,780mm×全高1,360mmで、先代からそれぞれ130mm×25mm×20mm拡大されました。
ホイールベースは105mm延長され2,720mmとなり、車両重量は先代後期型から50~60kg増加し1,530~1,540kgとなりました。サスペンション形式は先代同様4輪マルチリンク式で、駆動方式は標準グレードには先代同様の電子制御トルクスプリット式4WD「ATTSA E-TS」が、上級グレード「Vスペック」には専用装備されるアクティブLSDと連動する「ATTSA E-TS PRO」が採用されました。
又、引き続き採用される電子制御4輪操舵システムは、改良版の「電動Super HICAS」にリニューアルされました。エンジンは、先代同様の2.6L直6DOHCツインターボのRB26DETT型をブーストアップして搭載、最高出力は自主規制値いっぱいの280ps/6,800rpmで変更はないものの、最大トルクが1.5kgmアップの37.5kgm/4,400rpmになりました。トランスミッションは先代同様の5速MTが踏襲されました。
日産 スカイラインGT-RのCM
改良により更に進化し、限定モデルも登場
そして1996年1月にマイナーチェンジを実施し、内外装の一部変更を行うと同時に、SRSデュアルエアバッグシステムが標準装備されました。次いで同年5月に、ル・マン出場記念モデルとして、専用エクステリアや専用ボディカラーを備える2ケ月間の期間限定販売モデル「GT-R LMリミテッド」と「GT-R Vスペック LMリミテッド」が発売されました。
次いで1997年2月に2度目のマイナーチェンジを実施し、フェイスリフトによりフロントマスクのイメージを一新すると共に、キセノンヘッドランプが採用されました。同時に冷却効率の改善やボディ剛性アップ、ABSの標準装備などの改良が行われました。続いて1998年1月に、スカイライン生誕40周年記念モデルとして4ドアセダン版の「オーテックバージョン40th ANNIVERSARY」が発売されました。
1998年11月に生産終了となるまでの総生産台数は、先代の4割足らずの1万6千台余りに留まり、総合性能が向上した反面人気の面では及びませんでした。