日本を代表するハイパフォーマンスカーであった日産の「スカイライン・GT-R」は、1999年1月に発売された5代目モデルがスカイラインの名を冠したGT-Rのラストモデルとなりました。先代からボディサイズが縮小され運動性が向上した他、総合的な走行性能が一段と磨き上げられた集大成的なモデルとなりました。その為、2007年に現行型「GT-R」が登場した後も根強い人気を保っています。
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全長とホイールベースを短縮
ボディ形状は、終盤に4ドアセダンが注文生産の形で追加された先代と異なり、最後まで2ドアクーペのみの設定でした。スタイリングは、やや曲線的なボディラインと厳めしいフロントマスクが特徴だった先代から一転し、直線基調のボディラインとプレーンなフロントマスクに変貌しました。その一方で、GT-Rのアイデンティティーでもある丸型4灯式テールランプやリアスポイラーが継承されました。
ボディサイズは全長4,600mm×全幅1,785mm×全高1,360mmで、先代から全長が75mm短縮さると共に、ホイールベースも55mm短縮され2,665mmになりました。車両重量は先代から僅かに増加し、1,540~1,560kgとなりました。サスペンションは、形式こそ先代同様の4輪マルチリンク式ながら、内容を刷新し軽量化と耐久性向上が図られました。
日産 スカイラインGT-RのCM
エンジンはタービン換装でトルクアップ
駆動方式は先代と同様で、標準グレードは電子制御トルクスプリット式4WD「ATTSA E-TS」が、上級グレード「Vスペック」は専用装備されるアクティブLSDと連動する「ATTSA E-TS PRO」が踏襲されました。又、電子制御4輪操舵システム「電動Super HICAS」も継承されました。エンジンは、3代目以降踏襲される2.6L直6DOHCツインターボのRB26DETT型が、タービン換装の上で搭載されました。
最高出力は自主規制値いっぱいの280ps/6,800rpmで変更はないものの、最大トルクが2.5kgmアップの40kgm/4,400rpmに向上しました。又、トランスミッションは、従来の5速MTに代わりゲトラグ製6速MTが採用されました。グレード体系は、カタログモデルとしては前述の標準グレードと「Vスペック」の2種類で、他に幾つかの限定モデルが発売されました。
限定車や新グレードが続々登場
発売当初の限定モデルとしては、エンジンの仕様や装備が異なるモータースポーツベース車の「VスペックN1」と、専用ボディカラーを持つ「ミッドナイトパープルⅡ」及び「Vスペック ミッドナイトパープルⅡ」が設定されました。次いで2000年1月に、期間限定モデルとして「ミッドナイトパープルⅢ」及び「Vスペック ミッドナイトパープルⅢ」が発売されました。
そして2000年10月にマイナーチェンジを実施し、内外装の一部変更を行うと同時に、グレード体系が標準グレードと「VスペックⅡ」、そしてカタログモデル化された「VスペックⅡ N1」の3種類に変更されました。装備面では、全車にN1仕様の大径ブレーキローターが採用された他、Vスペック系には空気抵抗軽減を図ったNACAダクトが備わるカーボンエンジンフードなどが装備されました。
次いで2001年5月に、リップルコントロールショックアブソーバーの採用により乗り心地の改善を図ると共に、シートヒーター付本革シートなどを備える「Mスペック」が追加されました。更に2002年2月に、N1仕様のパーツを多用した「VスペックⅡニュル」及び「Mスペックニュル」が1000台限定で発売されました。そして2002年8月、1万1千台余りの生産台数を持って生産終了となりました。