ランボルギーニは、1971年に「ミウラ」の後継モデルとなるスーパースポーツ「カウンタック」のプロトタイプ「LP500」を発表し、1974年に市販バージョンとなる「LP400」を発売しました。その後、1978年発売の「LP400S」、1982年発売の「LP500S」、1985年発売の「LP5000QV」とバージョンアップを重ね、内外装デザインや走行性能の改善を図り熟成の域に到達しました。
そして1988年、ランボルギーニ創業25周年を記念した新バージョンとして、「25thアニバーサリー」がリリースされました。ベースモデルとなったのは「LP5000QV」で、主にエクステリアデザインの変更と装備の充実が図られました。車体の基本的な構造やメカニズムに大きな変更はなく、マルチチューブラフレーム採用のシャシーやエンジン縦置き式のMR方式などが受け継がれました。
カーボン製エアロパーツなどを装備
サスペンションは4輪ダブルウィッシュボーン式を踏襲しつつセッティングが変更され、ブレーキは4輪ベンチレーテッド型ディスクがそのまま踏襲されました。一方、スタイリングには大幅に手が加えられ、まずフロンバンパーとフロントスポイラーの形状が変更されると共に、素材がカーボンファイバー製に変更されました。
同時に、エンジンリッドやエアダクト、リアエンドパネルの形状が変更された他、これもカーボンファイバー製のリアバンパーとサイドスカートが追加されました。そしてアロイホイールはデザインこそ同一であったものの、メーカーがOZ製に変更されました。又、リアエンドなどに25周年記念車の証となるエンブレムが装着されました。
パワーウィンドウ・パワーシートを装備
その一方で、それまで選択する事が出来たリアウイングはオプションから外されました。そしてインテリアは、基本的なデザインこそ踏襲されたもののスイッチ類が変更されると共に、新たにパワーウィンドウやパワーリクライニングシート、サンバイザーが装備されました。ボディサイズは全長4,200mm×全幅2,000mm×全高1,070mm、ホイールベースは2,500mmで、LP5000QVから全長が60mm拡大されました。
又、車両重量は160kg増加し1,650kgとなりました。搭載されたエンジンは、LP5000QVと同一の5.2L V12DOHC 48バルブ・ウェーバー6連キャブレター仕様ながら、ラジエーターやウォーターポンプの変更により冷却性能向上が図られました。スペックそのものは最高出力455hp/7,000rpm・最大トルク51kgm/5,200rpmで変更はなく、トランスミッションも同様に5速MTが組み合わせられました。
25thアニバーサリーは、結果的にカウンタック最後のモデルとなり、「ディアブロ」に後を譲り生産終了となる1990年までの約2年間で、それまでのバージョンで最も多い657台が生産されました。