アルファロメオは2005年のジュネーブショーで、2002年の同ショーに出展されたコンセプトモデルをベースとしたスポーツクーペ「ブレラ」を発表しました。「GTV」の実質的な後継モデルで、同時に発表された小型セダン「159」と主要コンポーネンツを共有しつつも、ホイールベースの短縮やサスペンション・ジオメトリーの変更などの仕様変更が行われていました。
ジウジアーロによる個性的なスタイリング
ボディのデザインを担当したのは、コンセプトモデル同様ジュルジュエット・ジウジアーロでした。テールゲートを持つ3ドア・ハッチバックボディは、大きな盾が備わる押し出しの効いたフロントマスクと、個性的な造形のリアビューが特徴でした。ブレラのフロントマスクは、後のアルファロメオ車共通のモチーフとなりました。
ボディサイズは全長4,415mm×全幅1,830mm×全高1,365mmで、GTVよりも一回り大きくなりました。一方、ホイールベースは159から175mm短縮された2,530mmに設定され、GTVよりも10mm短くなりました。車両重量は1,470~1,710kgで、GTVより大幅に増加していました。サスペンション形式は159と共通のフロント:マクファーソンストラット式/リア:マルチリンク式で、型式上はGTVとも同一でした。
本国仕様は3種類のエンジンでスタート
発売当初用意されたエンジン及びグレードは、2.2L直4DOHCガソリンNA(最高出力185ps/最大トルク23.5kgm)搭載の「2.2JTS」、3.2L V6DOHCガソリンNA(最高出力260ps/最大トルク32.8kgm)搭載の「3.2V6」、2.4L直5DOHCディーゼルターボ(最高出力200ps/最大トルク40.8kgm)搭載の「2.4JTDm」の3種類でした。
トランスミッションは6速MTの他、3.2L車には6速トルコン式AT「Q-トロニック」が用意され、後に2.2L車に6速AMT「セレスピード」が追加されました。駆動方式は、「3.2V6」がトルセンデフ採用のフルタイム4WDシステム「Q4」で、それ以外はFFでした。装備面では、ボルトローナ・フラウ社製のレザーシートや大開口サンルーフの「スカウインドー」が設定されました。
更に安全装備として、SRS7エアバッグシステム、VDC(横滑り防止装置)、ASR(アンチスリップ・レギュレーション)、MSR(エンジンブレーキ・コントロール)、HBA(ブレーキアシスト)、ヒルホールドシステムなどが標準装備されました。そして2009年に、1.75L直4DOHCガソリンターボエンジン(最高出力200ps/最大トルク32.6kmg)を搭載する「1750TBi」が追加されました。
日本には2.2JTSと3.2JTSが導入
次いで2010年には、2L直4DOHCディーゼルターボエンジン(最高出力170ps/最大トルク36.7kgm)搭載の「2.0JTDm」がラインナップに加わりました。日本市場への導入期間は2006年4月から2011年8月迄で、投入されたグレードは「2.2JTS」と「3.2JTS」の2タイプが基本でした。当初は左ハンドル仕様のみだったものの、後に全車右ハンドル仕様に変更されました。