日産自動車の子会社であるオーテックジャパンは、1989年にイタリアのデザイン会社であるカロッツェリア・ザガートとの共同開発によるスペシャリティ・クーペ「オーテック・ザガート・ステルビオ」をリリースしました。他のどの車にも似ていない個性的なスタイリングと豪華な内装が特徴で、アッセンブリーはイタリアで行われ、その多くが日本に輸入されました。
新車購入ガイド:【2023最新】フェアレディZの値引き 納期 乗り出し価格
ボンネット一体型ミラーを採用
ベースとなった車種は日産自動車の高級パーソナルクーペである2代目「レパード」(F31型)で、ボディタイプは独立したトランクルームとリアシートを持つ2ドア・4座クーペでした。カロッツェリア・ザガートのデザインによるボディ・シェルはアルミニウム製で、前後のバンパーとボンネット・フードにはカーボンファイバー素材が用いられました。
そのスタイリングは、プロジェクター・ヘッドランプを配した個性的なフロントマスクやハイデッキのテールエンド、ダブルバブルのルーフなど、コンサバティブにまとめられていたレパードとは全く異なるイタリアン・テイスト溢れるものでした。中でも最大の特徴はボンネット・フードと一体化されたフェンダーミラーで、賛否はあったもののこのモデルの個性を決定づけるものでした。
ボディサイズは全長4,370mm×全幅1,800mm×全高1,345mmの3ナンバーサイズで、レパードと比較すると310mm短く110mm広く、そして25mm低いディメンションとなっていました。ホイールベースはレパードと同一の2,615mmで、車両重量はそれよりもやや重い1,560kgでした。サスペンション形式は、レパードと共通のフロント:マクファーソンストラット式/リア:セミトレーリングアーム式が踏襲されました。
新車購入ガイド:【2024最新】GR86の値引き 納期 乗り出し価格
パワフルなターボエンジンを搭載
駆動方式もFRが踏襲され、エンジンはレパードに用意されていたものの中で最もパワフルな3L V6DOHC24バルブ・ターボのVG30DET型をベースにチューンナップを図ったVG30DET改型が搭載されました。アウトプットは最高出力280ps/6,000rpm・最大トルク41kgm/2,800rpmで、標準仕様から最高出力で25ps、最大トルクで6kgmもの向上を実現していました。
組み合わせられるトランスミッションは、レパード同様4速トルコン式ATのみの設定でした。タイヤサイズは、レパードの215/60R15よりもワイドかつ大径の225/50R16が装着されていました。インテリアは、ウォールナットやレザーをふんだんに用いたラグジュアリーな仕様で、インパネはデザインこそレパードに類似していたもののオリジナルの設計が行われていました。
また、装備面では運転席パワーシートやクルーズコントロールなどが標準装備されました。総生産台数は、量販モデルだけで200台と少数に留まりました。
新車購入ガイド:【2023最新】GRスープラの値引き 納期