シトロエンは1997年、1991年に登場したCセグメントコンパクトカー「ZX」に代わるニューモデル「クサラ」を発売しました。ZX同様、「プジョー・306」とプラットフォームを共有する姉妹車種で、金属サスペンション採用のトップモデルとして位置付けられました。又、派生モデルとしてミニバンタイプの「クサラ・ピカソ」が追加された事もトピックでした。
クサラ・ハッチバック車は3ボックスに
クサラのボディバリエーションは、ZXと同様に5ドアハッチバックと3ドアハッチバックの「クーぺ」、そしてステーションワゴンの「ブレーク」の3種類がラインナップされました。スタイリングは、ZXよりも曲線的なボディラインに変化すると共に、5ドアハッチバックとクーペにはボディ後端に短いノッチが設けられ3ボックス型となりました。
一方1999年に登場したクサラ・ピカソは、8ライトウィンドウを持つオールヒンジドアの5ドア仕様で、やはり曲線を基調としたモノフォルム風のボディを備えていました。ボディサイズは、クサラが全長4,165~4,355mm×全幅1,710mm×全高1,405~1,420mmでZXよりも一回り大きく、クサラ・ピカソは更にそれよりも大きい全長4,280mm×全幅1,755mm×全高1,640mmでした。
ホイールベースは、クサラがZXと同一の2,540mm、クサラ・ピカソはそれより220mm長い2,760mmでした。車両重量もZXより増加し、日本仕様の場合でクサラが1,100~1,220kg、クサラ・ピカソが1,340~1,360kgとなりました。サスペンション形式は、共にZXと同様のフロント:マクファーソンストラット式/リア:トレーリングアーム式が踏襲されました。
多彩なエンジンのラインナップ
ブレーキはフロントがベンチレーテッドディスク式で、リアはグレードによりドラム式又はディスク式が採用されました。駆動方式は全車FFで、本国仕様のエンジンはクサラには1.4L/1.6L/1.8L/2Lの直4ガソリンユニットと、1.6L/1.9L/1.9Lターボの直4ディーゼルユニットが、クサラ・ピカソには1.6L/1.8L/2Lの直4ガソリンユニットと2L直4ディーゼルユニットが用意されました。
その後クサラは、2000年と2002年のマイナーチェンジにより外装デザインの変更などを受けた後、2006年に後継モデル「C4」に後を譲り生産終了となりました。一方クサラピカソは、2004年のマイナーチェンジで内外装が変更された後、2006年に後継モデル「C4ピカソ」が登場した後も一部地域向けに2011年まで生産が継続されました。
日本市場には、クサラは1.6L(前期型:最高出力90ps/最大トルク14kgm・後期型:最高出力108ps/最大トルク15kgm)、1.8L(最高出力100ps/最大トルク15.6kgm)、2L(前期型:最高出力130ps/最大トルク18.7kgm・後期型:最高出力137ps/最大トルク19.8kgm・高性能版:最高出力165ps/最大トルク19.7kgm)の各モデルが導入されました。
トランスミッションは4速トルコン式ATの他、一部グレードに5速MTが設定されました。一方、クサラ・ピカソは2Lエンジン(最高出力137ps/最大トルク19.8kgm)+4速トルコン式ATのみの設定でした。