ドイツ・フォードの戦後初設計モデルとして1952年に誕生した大衆車「タウヌス12M・15M」は、1966年に4年ぶり3度目のフルモデルチェンジが実施され、3代目P6系に移行しました。スタイリングが一新されモダンなフォルムに変貌するとともに、追ってブレーキシステムの改良などが行われました。
ロングノーズのプロポーションを採用
スチール・モノコック構造を踏襲するボディのバリエーションは、2ドアおよび4ドアセダン、3ドアステーションワゴン「ターナー」、2ドアクーペの4タイプで、先代まで設定されていた2ドアコンバーチブルは廃止されました。スタイリングは、それまでの曲線基調から直線基調のボディラインに変更されるとともに、ロングノーズ・ショートデッキのプロポーションに変貌しました。
また、フロントマスクも一新され、水平基調のグリルと長方形のヘッドランプが採用されました。ボディサイズは全長4,389mm×全幅1,603mm×全高1,385mm(クーペ)/1,400mm(セダン)/1,425mm(ステーションワゴン)で、先代との比較では全長と全幅が若干拡大された一方、全高は低められました。ホイールベースは2,527mmで、先代と同一でした。
サスペンション形式は、フロントはウィッシュボーン式からマクファーソンストラット式に変更され、リアはリジッド・リーフ式が踏襲されました。駆動方式はFFを踏襲し、エンジンは先代同様のバランサーシャフト付き水冷V4 OHVが採用されました。当初のラインナップは、従来同様の1.2Lと1.5Lの他、新たに1.3L(最高出力64ps/最大トルク10.1kgm)が設定されました。
トランスミッションは、先代同様フルシンクロの4速コラム式MTが組み合わせられました。また、ステアリング形式はリサーキュレーティング・ボール式からラック&ピニオン式に変更され、ブレーキは先代同様フロント:ディスク式/リア:ドラム式が採用されました。基本グレードは、1.2Lまたは1.3Lエンジン搭載の「12M」と1.5Lエンジン搭載の「15M」が設定されました。両者は異なる意匠のフロントグリルやヘッドランプを採用、外観上の差別化が図られていました。
1.7Lモデルを追加
そして翌1967年、15Mにハイオクタン・ガソリン仕様の1.7L V4OHVエンジン(最高出力71ps/最大トルク14kgm)搭載モデルが追加されました。また、この年の9月にフェイスリフトが実施されると同時に、2系統ブレーキシステムが採用されました。
同時に、クーペのスポーティグレード「15M RS」にフロア式4速MTが採用されました。次いで1968年には、サーボアシスト付きブレーキがオプション設定されました。そして1970年にフルモデルチェンジが実施され、FR方式を採用した「タウヌスTC」にバトンが渡されました。