ジャガー・カーズは2006年9月のフランクフルト・ショーにおいて、1996年に「XJS」の後継モデルとしてリリースしたスポーツカー「XK8/XKR」にフルモデルチェンジを施し、2代目「XK」に移行させました。アルミモノコックボディの採用により大幅な軽量化と高剛性化を実現した事が特徴で、定評のあった走行性能に一段と磨きが掛かりました。
ホイールベースを延長
フィクスドヘッドのクーペと電動ソフトトップが備わるカブリオレの2種類のボディが用意される点は先代と同様で、曲線基調のスタイリングも先代譲りであったものの、クーペにテールゲートが備わった事が異なる点でした。ボディサイズは全長4,791mm×全幅1,892mm×全高1,322mmで、全長は先代後期型とほぼ同等であった一方、全幅と全高は若干拡大されました。
ホイールベースは先代から約160mm延長され2,752mmとなり、車両重量はクーペの場合で90kg軽い1,595kgとなりました。サスペンション形式は先代同様の4輪ダブルウィッシュボーン式で、駆動方式もFRが踏襲されました。エンジンは先代からキャリオーバーされた4.2L V8DOHC で、当初は最高出力304ps/最大トルク42.9kgmのスペックを持つNAのみが用意されました。
新たにパドルシフトが備わった6速トルコン式ATを介しての動力性能は、最高速度250km/h・0-60mph加速5.9s(※クーペの数値)で、エンジンのアウトプットは不変ながら軽量化の恩恵で0-60mph加速タイムが0.2s短縮されました。一方インテリアは、インパネがスカットルの低いデザインに一新されるなど、エクステリア以上にイメージが変わりました。
M/Cで排気量を拡大
その後、同年内に4.2L V8スーパーチャージドエンジン(最高出力426ps/最大トルク57.1kgm)を搭載する「XKRクーペ/コンバーチブル」が追加されました。最高速度はリミッターによる制限の為NA仕様と同一であったものの、0-60mph加速は1s短縮され4.9sとなりました。次いで2009年に実施されたマイナーチェンジの際に、エンジンが5Lに拡大されました。
アウトプットはNAが最高出力385ps/最大トルク52.5kgm、スーパーチャージドが最高出力510ps/最大トルク63.7kgmまで向上し、0-60mph加速もそれぞれ5.2s、4.6sに短縮されました。続いて2011年、フェイスリフトにより内外装デザインが刷新されました。更に、究極の高性能モデルとなる「XKR-Sクーペ/コンバーチブル」が追加されました。
5Lスーパーチャージドエンジンが最高出力550ps/最大トルク69.3kgmまでアウトプットを高めて搭載され、性能面ではリミッターが外され最高速度が300km/hに向上した他、0-60mph加速も4.2sまで短縮されました(※クーペの数値)。日本市場における展開は、2006年7月にまずXKクーペ/コンバーチブルが上陸を果たし、2007年4月にXKRクーペ/コンバーチブルが追加されました。
次いで2009年4月に5L版に、2011年11月にフェイスリフト版に切り替えられ、同年12月にXKR-Sクーペが追加されました。