ランボルギーニは、2007年に開催されたフランクフルトモーターショーにおいて、フラッグシップスーパーカー「ムルシエラゴLP640」をベースとした限定モデル「レヴェントン」を発表しました。ステルス戦闘機をモチーフとしたエクステリアデザインが特徴で、価格は100万ユーロ(日本円で時価1億6千万円)と極めて高価でした。生産台数は21台で、その内20台が販売されました。
ムルシエラゴから造形を一新
スタイリングは、ムルシエラゴの延長線上にありながらもディテールは大きく変わり、特にフロント廻りとリア廻りの意匠が大幅に変更され、より先鋭的なイメージに変貌を遂げました。ボディサイズは全長4,700mm×全幅2,058mm×全高1,135mmで、ムルシエラゴLP640から全長のみ90mm拡大されました。ホイールベースは2,665mmで変更はなく、車両重量も同一の1,665kgでした。
車体の基本構造やメカニズムはムルシエラゴと同様で、マルチチューブラフレーム構造のプラットフォームやカーボンファイバーを多用したボディ、4輪ダブルウィッシュボーン式+電子制御式ダンパーによるサスペンション、ミッドシップ方式のエンジンマウント、駆動力配分可変式のビスカスカップリング式フルタイム4WD方式、4輪ベンチレーテッドディスクブレーキなどが踏襲されました。
エンジンは選別品を搭載
その一方で、サスペンションやブレーキには強化が施されました。搭載されたエンジンは、基本的にムルシエラゴLP640と同一の6.5L V12DOHC48バルブ仕様ながら、最高出力が650hp以上出ている個体が選別されて搭載されました。詳細なスペックは最高出力が650hp/8,000rpm、最大トルクは67.3kgm/6,000rpmで、ムルシエラゴLP640から最高出力が10hpアップした一方、最大トルクは同一の数値でした。
トランスミッションは、ムルシエラゴに設定される6速MTと「e-gear」と呼ばれる6速セミATのうち、後者が選ばれ搭載されました。パフォーマンスはムルシエラゴLPと同一で、最高速度は340km/h、0-100km/h加速タイムは3.4sでした。インテリアはムルシエラゴから一新され、3つの液晶ディスプレイ式メーターにより構成される、航空機のコクピットを彷彿とさせるデザインが採用されました。
生産は翌2008年から開始され、日本には1台のみが輸入されました。そして2009年9月に開催されたフランクフルトモーターショーで、オープン仕様の「レヴェントン・ロードスター」が発表されました。動力性能は、最高速度がクーペタイプより10km/h低い330km/hで、0-100km/h加速タイムは同一の3.4sでした。価格は更に高価な110万ユーロで、限定15台の販売でした。