メルセデス・ベンツの2シータースーパーカー「AMG GT」は、2013年に生産終了となった「SLS AMG」の後継モデルとして2014年秋のロサンゼルスモーターショーで発表され、2015年5月に日本での受注が開始されました。SLS AMGからボディが大幅に軽量化されると同時にエンジンをダウンサイジングするなど、現代に相応しい成り立ちを持ったモデルに生まれ変わっています。
ボディ素材にアルミやマグネシウムを使用
ボディバリエーションは2ドアクーペのみの設定で、ボディ後半部分がファーストバックになった事と、ドアが一般的なヒンジ式になった事がSLS AMGクーペとの相違点になります。ボディサイズは全長4,550mm×全幅1,940mm×全高1,290mmで、SLS AMGより90mm短く25mm背の高いディメンションに変化した他、ホイールベースは50mm短い2,630mmとなっています。
ボディ素材にアルミニウムやマグネシウムを多用し軽量化を図った結果、車両重量はSLS AMGよりも140~170kg軽い1,540~1,570kgとなっています。サスペンションは4輪ダブルウィッシュボーン式を踏襲しながら、アルミ部材を使用しバネ下荷重の軽減が図られています。又、SLS AMG同様トランスアクスルレイアウトによるFR方式を採用し、前後重量配分47:53を実現しています。
SLS AMGから性能がダウンした反面環境性能がアップ
パワートレインはSLS AMGの6.2L V8 NAから4L V8ツインターボに置換され、最高出力462ps/6,000rpm・最大トルク61.2kgm/1,600~5,000rpmの「GT」と最高出力510ps/6,250rpm・最大トルク66.3kgm/1,750~4,750rpmの「GT S」がラインナップされます。共に、SLS AMG/AMG GTの最高出力571ps(AMG)/591ps(AMG GT)・最大トルク66.3kgmよりやや劣るスペックとなっています。
トランスミッションは、共にSLS AMGと同様7速DCT「AMGスピードシフトDCT」が搭載されます。最高速度及び0-100km/h加速は、「GT」が304km/h・4s、「GT S」が310km/h・3.8sで、「SLS AMG」の317km/h・3.9s、「SLS AMG GT」の320km/h・3.7sからは若干低下しています。その一方で環境性能が向上し、CO2排出量は約30%削減されています。
装備面では、両モデルに前車追従型クルーズコントロール「ディストロニックプラス」や車線変更をアシストする「ブラインドスポットアシスト」、車線逸脱を防止する「レーンキーピングアシスト」といった安全運転支援システムが備わる他、「AMGパラメーターステアリング」や「3ステージESP」、LSD(GTは機械式・GT Sは電子式)が装備されます。
更に「GT S」には、高速コーナーリング時のアンダーステアを軽減する「カーブダイナミックアシスト」や電子制御ダンピングシステムを備える「AMG RIDE CONTROLスポーツサスペンション」、排気音を変化させる「AMGパフォーマンスエグゾーストシステム」などが装備されます。