1968年に初代モデルが発売された三菱自動車工業の小型商用車「デリカ」は、1979年6月にフルモデルチェンジを受け2代目モデルに移行しました。直線基調のスタイリングに変貌すると共に全幅が4ナンバー枠一杯まで拡大された他、ガソリン・FR車のみのラインナップだった先代に対し、途中からディーゼル車やワンボックス車初の4WD車が追加された事が特徴でした。
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先代からエンジンを刷新
ボディタイプは先代同様トラックとワンボックス型バンが用意され、後者の商用モデルは前述の全幅拡大(+150mm)に伴い「バンワイド」と名付けられました。又、トラックは先代同様低床デッキ仕様と高床デッキ仕様が設定された一方、前者はリアタイヤを小径化する事でフルフラットな荷台を実現し「マイティロー」と名付けられました。
駆動方式は当初は先代同様FRのみの設定で、エンジンは直4OHVガソリンの「ネプチューン」から直4SOHCガソリンの「サターン」シリーズに置換されました。当初用意されたのは1.4Lの4G32型(最高出力82ps)と1.6Lの4G33型(最高出力86ps)の2種類で、トランスミッションは4速MTの他にバンワイド1.6L車には5速MTも用意されました。
そして1982年のマイナーチェンジでフロントエンブレムが変更されると共に、バンワイドの新バリエーションとしてボディ後半部分を延長したロングボディ仕様と、2.3L直4SOHCディーゼルの4D55型エンジン(最高出力75ps)搭載車が追加されました。同時に、1.8L直4SOHCガソリンの4G62型エンジン(最高出力100ps)を搭載する4WDモデルが設定されました。
4WD車はパジェロ譲りの機構を採用
4WDモデルのシャシーやサスペンションは、基本的にクロスカントリー型SUVの初代「パジェロ」と共通で、パートタイム方式の4WDシステムや副変速機付きのトランスミッションなど機構面もパジェロ譲りのものでした。次いで1983年11月にフェイスリフトが実施され、ヘッドランプが丸形2灯式から乗用モデル「スターワゴン」と同様の角形2灯式に変更されました。
続いて1984年2月に、4WDモデルに4D55型ディーゼルエンジン搭載車が追加されました。そして1986年にバンワイドがフルモデルチェンジを受け3代目P系に移行、一方トラックはフェイスリフトのみで販売が継続されました。トラックは同時にディーゼル車のエンジンが2.5L直4SOHCターボの4D56型(最高出力84ps)に置換された他、リア・シングルタイヤ仕様車が追加されました。
そして1988年に4WD車を追加した上で暫くの間生産が続けられ、バンワイドより8年遅れて1994年5月に3代目モデルにモデルチェンジされました。
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