1982年に初代モデルがデビューした三菱の本格クロスカントリーSUV「パジェロ」は、2006年10月に3度目となるフルモデルチェンジを実施し、4代目の現行型となりました。先代から定評ある基本メカニズムを踏襲しつつ、内外装を一新し都会的なイメージを強めた他、数々の新技術を導入した事で一段と優れた走行性能を実現しました。
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先祖回帰したスタイリング
スタイリングは、抑揚の激しいボディラインを持っていた先代と異なりシンプルな面とラインで構成され、2代目モデルを洗練させたような雰囲気に変貌した他、先代で廃止となったツートンボディカラーを一部グレードに復活させるなど、先祖回帰をした事が特徴となっています。ボディのバリエーションは、先代同様3ドア5人乗りのショートボディと、5ドア7人乗りのロングボディが用意されます。
ボディサイズは、ショートが全長4,385mm×全幅1,875mm×全高1,850mm、ロングがそれぞれ4,900mm×1,875mm×1,870mmで、先代と比較すると全幅は変更がなく、全長と全高が拡大されています。ホイールベースはショートが2,545mm、ロングは2,780mmで、先代からラダーフレーム・ビルトイン・モノコックボディのシャシーを踏襲する為、同一の数値となっています。
足回りやパワートレインは先代から踏襲
サスペンションは、先代同様の前:ダブルウィッシュボーン式/後:マルチリンク・ダブルウィッシュボーン式による4輪独立懸架を踏襲、ブレーキも先代同様全車4輪ベンチレーテッドディスク式となっています。車両重量は、ショートが1,900kg~2,010kg、ロングが2,010kg~2,210kgで、ボディの高剛性化を図った影響もあり先代から40~50kg程重くなっています。
エンジンは、発売当初は先代同様3L SOHC V6と3.8L SOHC V6の2種類のガソリンエンジンが設定されました。前者が先代から踏襲する4G72型(最高出力178ps/最大トルク26.6kgm)、後者は新たにMIVEC(可変バルブタイミング機構)を採用して出力向上を図った4G75型[最高出力249ps(ショート)・252ps(ロング)/最大トルク34.5kgm)]となっています。
トランスミッションは、4G72型が5速MTと4速トルコン式AT、4G75型が5速トルコン式ATで、駆動方式は先代同様の、状況に応じ前後の駆動力配分や2WD/4WDを適時切り替えて走行する「スーパーセレクト4WD-Ⅱ」が踏襲されました。又、新機軸としてアクティブスタビリティコントロール(ASC)とアクティブトラクションコントロール(ATC)を組わせた「ASTC」を装備し、オフロード走破性が一段と向上しました。
M/Cでクリーンディーゼル車を追加
そして2008年10月にマイナーチェンジを実施し、内外装の変更を行った他、先代モデル時代に廃止されたディーゼル車が復活しました。搭載されたディーゼルエンジンは、コモンレール燃料噴射システムやNOxトラップ触媒などの採用により排気ガスのクリーン化を図った3.2L直4ターボの4M41型(最高出力170ps/最大トルク37.8kgm)で、ロングボディのみに設定されました。又、ATが全車5速仕様となりました。
翌2009年12月に2度目のマイナーチェンジを実施し、内外装の一部変更を行うと共に、3Lガソリン車の燃費が向上しました。次いで2010年9月に3度目のマイナーチェンジを実施し、ディーゼル車のエンジンとトランスミッションが改良され、スペックが最高出力190ps/最大トルク45kgmに向上した他、燃費や環境性能も改善されました。同時に、3.8Lガソリン車もエンジン制御の変更などにより燃費が向上しました。
その後も毎年マイナーチェンジや一部改良を実施し、内外装の変更や装備の充実などが図られました。しかし、国内販売はRV車ブームの後押しもありベストセラーとなった歴代モデルには及ばず、2019年9月に生産を終了、パジェロは37年の歴史に幕を閉じました。
型式名:V83/87/88/93/97/98W
初代パジェロ
2代目パジェロ
3代目パジェロ
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