日産のクロスオーバーSUV「ラシーン」は、1993年の東京モーターショーにプロトタイプが出展され、好評を受け翌1994年12月に市販モデルが発売されました。全車フルタイム4WD方式を採用するクロスオーバーSUVであったものの、本格的な悪路走破性は追求しておらず、個性的なスタイリングを楽しむパイクカー的要素の強いモデルでした。
新車購入ガイド:【2023最新】ルークスの値引き 納期 乗り出し価格
SUVながら背の低いディメンションを採用
プラットフォームは基本的に7代目「サニーセダン4WD」と共通で、5ドア6ライトウィンドウの2ボックス型ボディが架装されました。スタイリングは直線基調のシンプルなボディラインと、この種のモデルとしては背の低いディメンションが特徴でした。又、フロントグリルガードやテールゲート背面にスペアタイヤを装着するグレードが設定されるなど、SUVムードの演出も行われました。
ボディサイズはグレードにより異なり、全長3,980~4,210mm×全幅1,695/1,720mm×全高1,450/1,515mmで、ホイールベースはサニーと同一の2,430mm、車両重量は1,160~1,310kgでした。サスペンション形式は、フロント:ストラット式/リア:パラレルリンクストラット式を採用し、フルタイム4WDの方式はビスカスカップリング式でした。
日産 ラシーンのCM
エンジンは全3種類を設定
エンジンは、発売時は1.5L直4のGA15DE型(最高出力105ps/最大トルク13.8kgm)のみの設定で、トランスミッションは5速MTと4速トルコン式ATが用意されました。発売当初のグレード体系は、「タイプⅠB仕様」「タイプⅠ」「タイプⅡ」「タイプⅢ」の4種類で、「タイプⅡ」「タイプⅢ」にルーフレールとテールゲート背面のスペアタイヤが、「タイプⅢ」にフロントグリルガードとフォグランプが装備されました。
そして、特別仕様車として1995年8月に「タップF」が、1996年4月に「タイプL」が、同年9月に「タイプJ」が発売されました。いずれも「タイプⅠ」をベースに、ルーフレールなどの付加装備を追加したモデルでした。次いで1997年1月にマイナーチェンジを実施し、フェイスリフトが行われた他、ABSとSRSデュアルエアバッグシステムが標準装備されました。
同時に、1.8L直4のSR18DE型エンジン(最高出力125ps/最大トルク16kgm)+4速トルコン式ATを搭載する「ftタイプⅡ」及び「ftタイプS」が追加されると共に、1.5L車のグレード体系も見直され、「タイプⅠ」「タイプⅡ」「タイプS」の3グレードとなりました。続いて同年12月に、1.5Lエンジン搭載の特別仕様車「タイプA」が発売されました。
次いで1998年4月に、2L直4のSR20DE型エンジン(最高出力145ps/最大トルク18.2kgm)+4速トルコン式ATを搭載する「フォルザ」及び「フォルザSパッケージ」が追加されました。続いて2000年5月に、1.5Lエンジン搭載の特別仕様車「タイプM」が発売された後、同年8月に1代限りで生産終了となりました。
新車購入ガイド:【2023最新】デイズの値引き 納期 乗り出し価格