プジョーのBセグメントコンパクトカー「208」は、「207」の後継モデルとして2011年のジュネーブショーで発表され、日本には2012年11月から導入が開始されました。206から207にモデルチェンジした際に拡大されたホディが今度は縮小されると同時に、従来にはなかった小排気量3気筒エンジンが設定されるなど、ダウンサイジング路線に転じた事が特徴でした。
全長が4m以下に
スタイリングは、全体的なプロポーションや切れ長のヘッドランプなど基本的に207のイメージを受け継ぐものの、フローティンググリルの採用やボディ側面のキャラクターラインなどによりリフレッシュが図られました。ボディサイズは全長3,960mm×全幅1,740mm×全高1,470mmで、207で4mを超えていた全長が短縮された他、全幅も10mm狭くなりました。
ホイールベースは207と同一の2,540mmで、車両重量は同一エンジン搭載の207より100kg軽く、1,070~1,200kgとなります。サスペンション形式は、207と同様の前:マクファーソンストラット式/後:トーションビーム式を踏襲し、駆動方式も同様にFFを採用します。エンジンは日本仕様にはガソリンユニットのみが用意され、発売当初は1.2L直3NAと1.6L直4NA及びターボの3種類が設定されました。
運転席廻りのデザインを一新
スペックは、1.2Lが最高出力82ps/最大トルク12kgm、1.6L NAが最高出力120ps/最大トルク16.3kgm、1.6Lターボが最高出力156ps/最大トルク24.5kgmで、トランスミッションはそれぞれ5速MT、4速トルコン式AT、6速MTが組み合わせられました。インテリア面では運転席廻りが207から大きく変貌し、楕円形の小径ステアリングの上部からメーターを視認する独特なデザインが採用されました。
又、7インチタッチスクリーンによるインフォテインメントシステムも目新しい装備となりました。そしてパッケージングも改善され、ボディサイズの縮小にも関わらず後席のニースペースが拡大されました。デビュー当初のグレード体系は、1.2Lエンジン+3ドアボディの「アリュール」、1.6L NAエンジン+5ドアボディの「プレミアム」及び「シエロ」、1.6Lターボエンジン+3ドアボディの「GT」の4グレードでした。
そして2013年5月に、3ドアの新グレード「GTi」と「XY」が追加されました。前者は最高出力200ps/最大トルク28kgmまでチューンナップされた1.6Lターボユニットと6速クロスレシオMTを搭載するホッテストグレードで、後者は従来通りのスペックを持つ1.6Lターボユニットと6速MTを搭載し、パノラミックガラスルーフなどを装備するお洒落指向のモデルでした。同時に「GT」はカタログ落ちしました。
次いで2014年1月に、1.2L直3NAエンジンにアイドリングストップ機構を搭載し、5速AMTと組み合わせた「ピュアテック」と呼ばれるパワートレインが設定されました。「プレミアム」と「シエロ」のパワートレインがこのピュアテックに置換された他、「アリュール」にもピュアテック仕様車が追加設定されました。この変更に伴い、「プレミアム」と「シエロ」の燃費が約55%改善されました。