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スバル1000 (1966-1969):画期的だった水平対向エンジン縦置きのFFセダン

スバル1000 2Dr 1966-’69

スバル1000 2Dr 1966-’69

スバルは1966年5月に、当時としては画期的なメカニズムであった「水平対向4気筒エンジン+縦置きレイアウト+FF方式」を採用した新型大衆車「スバル・1000」を発売しました。軽量かつ低重心な水平対向エンジンとセンターピボット式ステアリングの採用などにより、欧州メーカーのFF車でも解決出来ないでいた操舵の重さやキックバックを軽減し、同時に1クラス上に匹敵する居住性を実現した高水準なセダンでした。

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先進的な4輪独立懸架サスペンションを採用

ボディタイプは発売当初4ドアセダンのみの設定で、エンジンはスペース効率を優先させる為フロントのオーバーハングに搭載され、トランスミッションとディファレンシャルはその後方にレイアウトされました。サスペンション形式は、フロントがダブルウィッシュボーン/トーションバー式、リアがトレーリングアーム/トーションバー+コイル式による4輪独立懸架が採用されました。

スバル1000 4Dr 1966-’69

スバル1000 4Dr 1966-’69

他の国産大衆車が一般的にリアにリジッド・リーフ式を採用していたのに対し遥かに先進的で、次元の異なる乗り心地とロードホールディングを実現していました。ボディサイズは全長3,930mm×全幅1,480mm×全高1,390mmで、ライバルの「トヨタ・カローラ」や「日産・サニー」より僅かに大きい程度であったものの、ホイールベースは100mm以上長い2,400mmに設定されていました。

アルミ合金製のエンジン

このロングホイールベースと、ドライブシャフトのないFF方式ならではのフラットなフロアにより、1.5Lクラスの小型車に匹敵する居住性を備えていました。又、車両重量は670~695kgと軽量に抑えられていました。エンジンは水冷977ccのEA52形で、軽量化の為アルミ合金が多用されると共に、冷却方式は冷却ファンが不要で効率の高いデュアルラジエーターが採用されました。

スバル1000 4Dr 1966-’69

スバル1000 4Dr 1966-’69

スペックは、ストロンバーグ・シングルキャブレター装備により、最高出力55ps/6,600rpm・最大トルク7.8kgm/3,200rpmを発生しました。トランスミッションは4速コラム式MTが組み合わせられ、最高速度130km/hの性能でした。又、過大でないフロント荷重や、前述のようにFF車特有の癖が解消された事により、操縦安定性も高水準なものでした。

高性能モデルも追加に

又、ブレーキは4輪ドラム式ながら、バネ下重量を軽減する為インボード式が採用されました。グレード体系は、「スタンダード」「デラックス」「スーパーデラックス」の3タイプが用意されました。そして、1967年2月に2ドアセダンが、同年9月に4ドアバンが、1967年11月に2ドアセダンの高性能版「スポーツセダン」が、1968年8月に2ドアバンが追加されました(同時にセダン・デラックスにフロアシフト車を追加)。

スバル1000のCM

このうちスポーツセダンは、ソレックス・ツインキャブレター装備や圧縮比アップなどにより最高出力67ps/6,600rpm・最大トルク8.2kgm/4,600rpmまでアウトプットが高められ、最高速度150km/hの性能を実現していました。同時に、フロントブレーキがインボード式ディスクブレーキに変更された他、国産車初のラジアルタイヤが装備されました。

そして1969年3月に、ボアアップにより排気量を1,088ccに拡大した「ff-1」シリーズに移行しました。

型式:A522/512/12/41

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