マツダは1992年1月に、「カペラC2」の後継モデルとなる2ドアクーペ「MX-6」を発売しました。先行して前年にデビューした「クロノス」やアンフィニ・ブランドの「MS-6」などと共にクロノス・ファミリーの一員に属し、プラットフォームやパワートレインなどを共有していました。キャッチコピーは「ラテンの旋律」で、スペシャリティカーに相応しくファミリー唯一の4WS装着車が設定されました。
スタイリングはクロノス・ファミリーに共通する曲線的なボディラインを持ち、グラマラスな雰囲気を醸していた他、発売当初は全車にリアスポイラーが装備されました。ボディサイズは全長4,610mm×全幅1,750mm×全高1,310mmで、ファミリーの中で最もコンパクトにまとめられていました。ホイールベースは共通の2,610mmで、車両重量はファミリーの中では比較的軽量な1,170~1,240kgでした。
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マツダ MX-6のCM
駆動方式はFFのみ
サスペンション形式は他のファミリーと同一の4輪ストラット式が踏襲され、駆動方式はFFのみの設定で最後までフルタイム4WD車が設定される事はありませんでした。エンジンは、クロノス/MS-6にも採用された2L V6DOHCのKF-ZE型(最高出力160ps/最大トルク18.3kgm)及び2.5L V6DOHCのKL-ZE型(最高出力200ps/最大トルク22.8kgm)の2種類が用意されました。
トランスミッションは、両エンジンに5速MTと4速トルコン式ATが設定されました。発売当初のグレード体系は、「2000 V6」「2500 V6」の2タイプのみとシンプルで、電子制御車速感応式4WSやABSが両グレードに装備された他、「2500V6」には1インチアップの15インチホイール&タイヤが備わり、更に本革シートやエアバッグ、サンルーフ、BOSE製ミュージックシステムなどがオプション設定されました。
一部改良で装備を見直し
そして1994年6月に実施された一部改良で、グレード体系の変更や装備の見直しが行われました。新たに上級グレードとなる「2000V6 スペシャルパッケージ」及び「2500V6 4WSパッケージ」が設定されると共に、「4WSパッケージ」を除き4WSがオプション設定となりました。又、従来の「2000V6」及び「2500V6」は、ABSがオプション設定に、エアコンがオートからマニュアルに変更され、更にリアスポイラーも廃止されました。
一方で、2L車のホイール&タイヤが2.5L車と同一の15インチに格上げされました。こうした装備の見直しに伴い、トップグレードの「2500V6 4WSパッケージ」を除き、マイナーチェンジ前よりも価格が引き下げされました。その他、特別仕様車として、KF-ZE型エンジンを搭載する「マツダスピードバージョン」が発売されました。販売面では他のクロノス・ファミリー同様振るわず、1995年末に生産終了となりました。