初代モデルがプリンス自動車より1957年4月にリリースされた中型乗用車「スカイライン」は、1981年8月に4年ぶり5度目のフルモデルチェンジを受け、6代目R30型に移行しました。先代からボディの軽量化や空力特性の改善が図られたほか、後にさらなる高性能化を図ったグレードが追加されました。
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ハッチバックを新設定
ボディタイプは、2ドアハードトップと4ドアセダンに加え、新たにファストバックの5ドアハッチバックがラインナップされました。スタイリングは、サーフィンラインが廃止されるなど先代よりもプレーンなイメージに変貌しました。同時に、この代から4気筒車と6気筒車のボディが共通化されました。
ボディサイズは全長4,590~4,595mm×全幅1,665mm×全高1,360~1,395mmで、先代から全長が僅かに縮小された一方、全幅は若干拡大されました。ホイールベースは、先代6気筒車と同一の2,615mmでした。サスペンション形式は、フロントにマクファーソンストラット式、リアにセミトレーリングアーム独立懸架式またはトレーリングリンク・リジッド式が採用されました。
多彩なエンジン・ラインナップ
駆動方式はFRを踏襲し、エンジンは当初、1.8L直4SOHCキャブレター仕様のZ18S型(最高出力105ps)、同電子燃料噴射仕様のZ18E型(最高出力115ps)、2L直4SOHCキャブレター仕様のZ20S型(最高出力105ps)、同電子燃料噴射仕様のZ20E型(最高出力120ps)、2L直6SOHC電子燃料噴射NA仕様のL20E型(最高出力125ps)、同ターボ仕様のL20ET型(最高出力145ps)、2.8L直6SOHCディーゼルのLD28型(最高出力90ps)が用意されました。
トランスミッションは先代同様、4速/5速MTと3速トルコン式ATが設定されました。当初のグレード体系は、4気筒車が「TI」系、6気筒車が「GT」系が基本でした。そして同年10月に、2L直4DOHC NAのFJ20E型エンジン(最高出力150ps)を搭載する「2000RS」と、Z18Sエンジンを搭載する商用5ドアバン「エステート」が追加されました。
次いで1982年10月の一部改良により、1.8L車のエンジンがキャブレター仕様はCA18型(最高出力100ps)に、電子燃料噴射仕様はCA18E型(最高出力110ps)にそれぞれ置換されました。さらに翌1983年2月には、FJ20型エンジンにターボチャージャーを装着したFJ20ET型エンジン(最高出力190ps)を搭載する高性能モデル「2000ターボRS」が追加されました。
次いで同年8月のマイナーチェンジでエクステリアが一新され、グリルレスのフロントマスクが採用されました。続いて1984年2月には、FJ20ET型インタークーラーターボエンジン(最高出力205ps)を搭載する「2000ターボインタークーラーRX/RS-X」が追加されました。そして1985年8月、エステートをのぞく全車にフルモデルチェンジが実施され、7代目R31型に移行しました。
一方エステートは、R30型のまま1990年2月まで販売が継続されました。
スカイラインRS-X (R30)の口コミ評価/新車購入インプレッション
当時、自動車業界ではパワー戦争で各メーカーが2,000cc最強の車を競い合っているような感じでした。そんな時代に先輩の一言で私の人生初の車を新車で買うことになったのです。
先輩の「車ないなら買えよ」の一言で
ある時、先輩から「山中湖にテニスに行くぞ。女の子たちも誘うからお前も来い。」とお声が掛かりました。大体の旅行計画が決まったころ、人数に対して車が足りなかったのでしょうか「車、持ってるか。ないなら買えよ。」え~って感じでしたが「じゃ、買おうかな。」と軽い感じで答えちゃいました。
先輩は仕事で日産の村山工場に出入りをしていたので「紹介してあげるよ。安くなるとか何か特典があるかも。」という話もあり、元々日産派の私は車を買うことに結構乗り気になっちゃいました。村山工場にはバンク付きのテストコースがあり、そうです【スカイライン】がテスト走行していた場所です。
「RS TURBOください。」
もう自分の中で購入する車種は決まっていました。カッコよくて、パワーがあって、注目度抜群のあの車です。そんなことで、自宅に一番近いディーラーを紹介してもらって、開口一番に「RS TURBOください。」って言ったのを覚えています。ディーラーは相当強気で少しも値引きをしてくれませんでしたが、工場の紹介と言うことで「5万円分の商品券」を付けてくれました。
購入した車は 【日産 6代目後期 スカイライン RS-X (DR30XFS)】
価格は 【総額 275万円】
5万円の商品券分は赤・黒ツートンカラー、リアスポイラー、サイドステッカーのオプションに使いました。
【鉄仮面】と言えば分かりやすいでしょうか。サイドステッカーの「4VALVE DOHC RS-TURBO WITH INTERCOOLER」の金文字、フロントバンパー下のインタークーラー用ダクト、トランクの「RS-X」のエンブレムがとても誇らしくて嬉しかったのを覚えています。街を走っているととにかく目を引きましたので、こちらに手を振ってくれる子供もいました。高速道路で同じ鉄仮面の覆面パトカーにあったこともあります。
リッター当り100馬力越え
当時2,000cc最強とも言える205馬力(グロス)はリッター当り100馬力越えと騒がれたものです。対抗する車には「ランエボ」や「ソアラ」が良く挙げられていました。シートはバケットタイプでカラーが外装に合わせて赤黒ツートン、程よいホールド感があって、いかにも走りたいって気持ちにさせてくれます。パワーステアリング、オートクルージングも付いていて、走りと居住性や操作性を両立していたと思います。
当時のターボはいわゆるドッカンターボで、ターボが利き始める回転数になると急にパワーが出ます。慣れないうちは前の車に衝突しそうなこともありました。クラッチはやや重たい感じで、発進時や半クラッチは慣れが必要でした。
この車で山中湖へ。集合場所に来た女の子に「え~、すごいカッコいい。」なんて言われた、あの若き日が懐かしいです。今でも本当に稀ですが、鉄仮面を見かけると当時の思い出が甦ります。