フォルクスワーゲンは2008年のデトロイト・ショーにおいて、フラッグシップ4ドアセダン8代目「パサート」の4ドアクーペ版となる「パサートCC」を発表、同年11月から日本市場への導入が開始されました。それから4年後の2012年にはビッグマイナーチェンジが実施され、車名が「CC」に変更されると共に様々なリファインが施されました。
独自のスタイリングを採用
スタイリングは、パサートとは異なる意匠のフロントマスクやリアコンビネーションランプ、流麗なルーフライン、サッシュレスドアが備わる点が特徴でした。ボディサイズは全長4,795mm×全幅1,856mm×全高1,420mm、ホイールベースは2,710mmで、パサートより全幅が36mmワイドで、全高は52mm低いディメンションでした。
サスペンション形式は、パサート同様のフロント:マクファーソンストラット式/リア:4リンク式が踏襲されました。駆動方式はFFとフルタイム4WDが設定され、欧州仕様のエンジンは1.8L直4ターボ(最高出力160ps/最大トルク25.5kgm)、2L直4ターボ(最高出力200ps/最大トルク28.6kgm)、3.6L V6 NA(最高出力300ps/最大トルク35.7kgm)のガソリン3種類がラインナップされました。
その他に、2L直4ディーゼルターボ(最高出力140ps/最大トルク32.6kgm)も用意されました。トランスミッションは6速MTの他、エンジンごとに6速トルコン式AT/6速DSG/7速DSGが設定されました。欧州仕様のグレード体系は、FF方式の「1.8TSI」「2.0TSI」「2.0TDI」と、フルタイム4WD方式の「3.6FSI」の4タイプがラインナップされました。
日本仕様のパワートレインは2種類
日本市場には2.0TSIの6速トルコン式AT仕様と、3.6FSI改め「V6 4モーション」の6速DSG仕様(最高出力は299ps)が導入されました。装備面では、両グレードに電子制御式可変サスペンション「アダプティブシャシーコントロール」が、V6 4モーションに衝突の危険性を警告する「フロントアシスト」やアダプティブクルーズコントロールが標準装備されました。
そして2010年3月の一部改良により、2.0TSIのトランスミッションが6速DSGに変更されると共に、V6 4モーションはエンジンプログラムが改良され、両グレード共に燃費性能が向上しました。同時に、両グレードにリアビューカメラ「リアアシスト」が、V6 4モーションに車線維持支援システム「レーンアシスト」が装備されました。
次いで2011年1月に実施された一部改良では、乗車定員が4名から5名に変更されると共に、ブレーキエネルギー回生システムが採用されました。同時に、2.0TSIはエンジンの最高出力が211psに向上、V6 4モーションはフロントアシストに衝突被害軽減ブレーキ「シティエマージェンシー」機能が追加されました。
M/Cで日本仕様車のエンジンをダウンサイジング
続いて2012年7月のマイナーチェンジで前述の通り車名がCCに変更されると共に、フェイスリフトやインテリアの質感向上、遮音性の向上などの改善が実施されました。同時に、車線変更をサポートする「レーンンチェンジアシスト」やドライバー疲労検知システムが追加されるなど、予防安全装備が強化されました。
パワートレインは、欧州仕様は変更がなかったものの、日本仕様は1.8L直4ターボエンジン+7速DSGへとダウンサイジングされました。同時にグレード体系も変更され、標準グレード「TSI」と、各種予防安全装備が備わる上級グレード「TSIテクノロジーパッケージ」の2タイプとなりました。