アルファロメオは1994年のパリサロンにおいて、1987年に生産終了となった「アルフェッタ」ベースの「アルフェッタGTV」以来7年ぶりにGTVを冠した「アルファロメオGTV」を発表しました。親会社であるフィアットの小型ハッチバック車「ティーポ」のプラットフォームやパワートレイン、ボディ部品の一部を流用して製造されるFFスポーツクーペで、姉妹車種としてオープンモデルの「スパイダー」も同時にリリースされました。
ウェッジシェイプ採用のスタイリング
ボディのデザインを担当したのはピニンファリーナで、1991年に発表されたコンセプトモデル「プロテオ」を彷彿とさせる大胆なウェッジシェイプのフォルムと、丸型4灯式プロジェクターヘッドランプ採用による個性的なフロントマスクが特徴でした。乗車定員は4名であったものの、後席スペースはミニマムで実質的には2+2でした。
ボディサイズは全長4,290mm×全幅1,780mm×全高1,315mmで、ホイールベースはティーポと共通の2,540mm、車両重量は1,370~1,430kgでした。サスペンション形式は、フロントはティーポ同様のマクファーソンストラット式を踏襲する一方、リアはトレーリングアーム式から新設計のマルチリンク式に変更されました。又、ブレーキはフロントがベンチレーテッド型の4輪ディスク式が採用されました。
2種類の2Lエンジンでスタート
発売当初ラインナップされたエンジン及びグレードは、2L直4DOHC NA(最高出力150ps/最大トルク19kgm)搭載の「2.0ツインスパーク16v」及び2L V6SOHCターボ(最高出力200ps/最大トルク28.6kgm)搭載の「2.0ターボ」の2タイプで、トランスミッションはいずれも5速MTが組み合わせられました。又、安全装備としてSRSデュアルエアバッグシステムやEBD付きABSなどが採用されました。
そして1996年のボローニャ・ショーで、3L V6DOHC NAエンジン(最高出力220ps/最大トルク27.5kgm)を搭載する「3.0 24v」がデビューしました。次いで1997年のマイナーチェンジで内外装デザインが一部変更されると共に、1.8L直4DOHC NAエンジン(最高出力146ps/最大トルク17.2kgm)搭載の「1.8ツインスパーク16v」が追加されました。
同時に、2L直4エンジンが可変吸気バルブ化され最高出力が7ps、最大トルクが0.1kgm向上した他、3L車のMTが6速化されました。続いて2003年のマイナーチェンジではフェイスリフトと共に、「2.0ターボ」に代わり2L直4直噴DOHC NAエンジン(最高出力165ps/最大トルク21kgm)搭載の「2.0JTS」が、「3.0V6」に代わり3.2L V6エンジン(最高出力240ps/最大トルク30.6kgm)搭載の「3.2V6」がラインナップされました。
日本市場には1996年1月にまず「2.0V6ターボ」が導入され、1997年6月から「3.0V6 24V」に切り替えられました。そして2003年7月に導入開始となった「3.2V6 24V」が、2006年4月まで販売されました。