1979年に初代モデルがデビューしたランチアのコンパクトカー「デルタ」は、2代目モデルが1999年に生産終了となって以来絶版モデルとなっていたものの、2008年のジュネーブ・ショーで9年ぶりの復活となる3代目モデルが発表されました。内外装の雰囲気が先代から大きく変わった他、装備の近代化も図られるなど、21世紀に相応しいモデルに生まれ変わりました。
先代からボディサイズを大幅に拡大
ボディタイプは歴代モデル同様5ドアハッチバックで、デザインは社内チーム「チェントロ・スティーレ」により手掛けられました。スタイリングは大人しいイメージだった先代とは打って変わり、斬新さと優美さを全面に打ち出したものとなりました。ボディサイズは、先代より一回り以上大きい全長4,520mm×全幅1,797mm×全高1,499mmとなり、セグメントが上がりました。
又、ホイールベースは160mm長い2,700mmで、車両重量も相応に増加し1,320~1,430kgとなりました。駆動方式はFFのみの設定で、先代までに設定のあったフルタイム4WDは用意されませんでした。発売当初用意されたエンジンは、最高出力120ps及び150psの2種類の1.4L直4ガソリンターボ(最大トルクは21kgmで同一)と、最高出力190ps/最大トルク40.8kmgの1.9L直4ディーゼルターボでした。
数々の電子デバイスを採用
グレード名は1.4L車が「1.4Tジェット16V」、1.9L車が「1.6ツインターボ・マルチジェット16V」で、トランスミッションはそれぞれに6速MTとシングルクラッチ式の6速AMTが設定されました。又、装備面では電子制御サスペンションやトルクコントロールシステム、セミオートマチック・パーキングシステム、車線維持システムといった数々の電子デバイスが採用されました。
そして2010年に、1.4Lガソリンターボユニットの150ps版が新世代のマルチエアユニット(最高出力140ps/最大トルク23.5kmg)に置換される共に、グレード名が「1.4Tジェット・マルチエア」に変更されました。同時に、1.75L直4ガソリンターボエンジン(最高出力200ps/最大トルク32.6kmg)を搭載し、6速トルコン式ATが設定される「1.8DiTジェット16V」が追加されました。
更に翌2011年には、最高出力105ps及び120psの2種類の1.6Lディーゼルターボエンジン(最大トルクは30.6kgmで同一)が設定されるグレード「1.6マルチジェット16V」と、最高出力165ps/最大トルク36.5kgmの2L直4ディーゼルターボエンジンを搭載するグレード「2.0マルチジェット16V」が追加されました。
日本市場にはデビュー同年の2008年に、ガレージ伊太利屋の手により1.4Lターボ車150ps版のMT仕様の導入が開始され、2011年には1.75Lターボ車のAT仕様が追加されました。