本田技研工業は2011年6月、「エアウェイブ」の実質的な後継車種として、2代目「フィット」及び「フィットハイブリッド」をベースとした小型5ドアステーションワゴン「フィットシャトル」及び「フィットシャトルハイブリッド」を発売しました。基本コンポーネンツや独自のセンタータンクレイアウトをフィットから受け継ぎながら、ボディ延長により室内スペースの拡大が図られました。
フィットからリアオーバーハングを延長
剛性アップや静粛性向上が図られたボディは、フィット譲りのワンモーションフォルムが踏襲されました。ボディサイズは全長4,410mm×全幅1,695mm×全高1,540mmで、フィットから全長が500mm程延長された一方、ホイールベースは同一の2,500mmであった為リアオーバーハングの長いプロポーションになりました。
駆動方式は当初FFのみの設定であったものの、同年8月ガソリン車にフルタイム4WDが追加されました。サスペンション形式はフィットと共通で、フロントにマクファーソンストラット式が、リアはFF車にはリジッド・アクスル式が、4WD車にはド・ディオン・アクスル式が採用されました。
ガソリン車に採用されたエンジンは1.5L直4SOHCのL15A型(最高出力120ps/最大トルク14.8kgm)で、トランスミッションはFF車にCVTが、4WD車に5速トルコン式ATが組み合わせられました。一方ハイブリッドは、1.3L直4SOHC i-VTECのLDA型エンジン(最高出力88ps/最大トルク12.3kgm)+モーター(最高出力14ps/最大トルク8kgm)+CVTの組み合わせによるパラレル式でした。
JC08モード燃費は、当初ガソリン車が14.6~18.6km/L、ハイブリッドが25km/Lでした。室内は、インパネのデザインなどは基本的にフィットと共通で、乗車定員も同様に5人乗りでした。又、安全装備として全車に車両挙動安定化制御システム「VSA」や頸部衝突緩和フロントシートなどが採用されました。
ホンダ フィットシャトルのCM
改良で一部グレードの燃費が向上
グレード体系は、ガソリン車にはベースグレード「15C」と上級グレード「15X」がラインナップされ、ハイブリッドはモノグレードを基本に、廉価版の「C」と充実装備の「スマートセレクション」「ナビプレミアムセレクション」が設定されました。そして2012年6月の仕様変更により、内外装の小変更やガソリンFF車の燃費向上などが図られました。
同時に、廉価グレードを除きETC車載器が標準装備された他、ナビ装着スペシャルパッケージが設定され、ハイブリッド・ナビプレミアムセレクションは廃止されました。次いで2013年8月のマイナーチェンジで内外装が変更されると共に、ヒルスタートアシストとセキュリティアラームが全車に標準装備されました。
同時に、ハイブリッドCの燃費向上やハイブリッド/ハイブリッド・スマートセレクションの装備充実化が図られました。そして2015年3月に販売を終了、その2か月後に後継車種の「シャトル」がリリースされました。