1968年にアウディNSUアウトウニオンAGのフラッグシップモデルとして誕生した「アウディ・100」は、1982年に6年ぶり2度目のフルモデルチェンジを受け、3代目C3系に移行しました。一般的な乗用車としては驚異的なCd値0.3の空力特性を実現した他、追ってフルタイム4WD方式「クワトロ・システム」採用車が設定された事がトピックとなりました。
フラッシュサーフェスボディを採用
ボディタイプは2ドアセダンが廃止され、当初は5ドアハッチバック「アヴァント」の設定もなく、4ドアセダンのみでのスタートとなりました。スタイリングは徹底的なフラッシュサーフェス化が図られ、先代よりも遥かにスマートなフォルムに変貌しました。ボディサイズは一回り大きい全長4,793mm×全幅1,814mm×全高1,420mmとなり、ホイールベースも僅かに延長され2,682mmとなりました。
サスペンション形式は、フロント:マクファーソンストラット式/リア:トレーリングアーム式が踏襲されました。駆動方式は当初は従来同様FFのみの設定で、エンジンはまず1.8L直4SOHC(最高出力75ps)、1.9L直5SOHC(最高出力100ps)、2.1L直5SOHC(最高出力136ps)のガソリンNAと、2L直5SOHCディーゼルNA(最高出力70ps)の全4種類が用意されました。
トランスミッションは、4速/5速MTと3速トルコン式ATが設定されました。そしてデビュー翌年の1983年に、新たなボディ・バリエーションとしてアヴァントがバリエーションに加わりました。先代からルーフが延長され、一般的なステーションワゴンに近いフォルムとなった一方で、強い傾斜の付けられたテールゲートに先代の面影が残されていました。
ターボエンジン車を追加
同じ年に新たなエンジン・ラインナップとして、1.8L直4ガソリンの高出力版(最高出力90ps)と、2L直5ディーゼルのターボ版(最高出力87ps)が追加されました。次いで1984年には、ガソリン1.9L直5が2L直5(最高出力115ps)に、2.1L直5が2.2L直5(最高出力115ps/138ps)にそれぞれ置換され、続いて1985年に前述のクワトロが追加になりました。
続いて1986年には2.3L直5ガソリンNA(最高出力136ps)と2.2L直5ガソリンターボ(最高出力165ps)が加わり、エンジン・ラインナップが更に充実しました。次いで翌1989年にマイナーチェンジが実施され、インパネのデザイン刷新や4速トルコン式ATの追加などの他、2L直5ディーゼルターボが2.4L直5ディーゼルNA(最高出力82ps)に置換されました。
そして1990年、最後の新ラインナップとして2.5L直5ディーゼルターボエンジン(最高出力120ps)搭載車が追加された後、フルモデルチェンジを受けて4代目C4系に移行しました。3代目アウディ・100は、日本市場ではヤナセの手によりガソリンAT仕様のセダン2.1L/2.3L NA/2.2Lターボ車、アヴァント2.1L/2.3L NA車が導入されました。